中国旅行ではクレジットカードは使えない?ちょっと特殊なカード事情
海外旅行ではクレジットカードを持っておくことで支払いが簡単になったり、クレジットカードを持っていないと損をするような場面があるので「絶対に持っていくもの」という認識があります。
中国は日本よりもクレジットカード社会が進んでおり、上海や北京などの大都市ならクレジットカードが使えないお店はほとんどありません。百貨店やコンビニ、レストランなど問題なく使用することができます。
しかし、「日本で発行したクレジットカードは使いにくい」というのが中国の面白いところ。今回は中国のクレジットカード事情について簡単にご紹介したいと思います。

中国では銀聯カードが主流!VISA、MasterCardでも使えないことが
日本ではVISA、MasterCard、JCBの国際ブランドが人気であり、世界中で見るとVISAとMasterCardのクレジットカードが主流です(2つのブランド合わせると世界シェアは50%以上)。
しかし、中国では銀聯(ぎんれん)と呼ばれる国際ブランドが主流であり、VISAやMasterCardのクレジットカードを出しても「中国のクレジットカード(銀聯カード)を持っていないか?」と聞かれます。
日本に住んでいると銀聯カードを聞いたことがない方も多いかもしれませんが、世界シェアは10%ほどで、JCBよりも圧倒的に多いです(JCBは世界シェア1%)。
AMEXやダイナースは加盟店手数料が高いので中国以外の国でも使えないことが多いですが、中国ではVISA・MasterCard・JCBの加盟手数料も高く感じるらしく、加盟店手数料が0円の銀聯カードを要求されることが多いわけです。
また、VISAやMasterCardは使えても加盟店手数料をこちらに負担させてくるお店もあるので、結果的に損をしてしまうこともあります。海外旅行では必須と言われているVISAやMasterCardのクレジットカードも中国では使いにくいカードに分類されてしまうわけです。
しかし、逆を言えば銀聯カードさえ持っていれば中国での支払いに困ることはほとんどありません。クレジットカード社会は日本よりも圧倒的に進んでおり、電車やバス、タクシー、屋台など以外ならどこでもカードで決済できますからね。
中国でクレジットカードが使えるお店、使えないお店
【クレジットカードが使える場所】
- コンビニ
- 観光地(ただし雑技団や施設の入場料などは人民元での支払いが必須)
- 外資系飲食店
- 百貨店
- ホテル
- 少し高めのレストラン
【クレジットカードが使えない場所】
- 電車・地下鉄
- バス
- タクシー
- 屋台
- 地元の飲食店
- 地方にあるお店
上海や北京など有名な観光地や日本人観光客が頻繁に利用するお店・レストランなどでは問題なくクレジットカードを使用することができます。銀聯カードだけではなくVISA・MasterCardでも対応していることが多いです。
JCB・AMEX・ダイナースは大きいお店でも使えないことが多いので、中国旅行の場合は「銀聯カード」と「VISAかMasterCard」をそれぞれ1枚ずつ持っていくのがおすすめです。
高額な買い物はクレジットカード、少額な買い物は現金(人民元)が安心
「中国旅行にクレジットカードって絶対必要なの?」「現金だけじゃ旅行できないの?」という方も多いかと思いますが、現金だけでも中国旅行は可能です。「特に地元の人しか知らないような飲食店巡りをしたい」「市場や観光スポット巡りをしたい」といった感じで、一気に高額なお金を使わない場合は現金だけでも問題なく旅行を楽しめます。
しかし、買い物を1万円以上する高額な商品を購入する場合はクレジットカードが必要となってきます。現金でも支払うことができますが、店員からかなり嫌な顔をされます。
人民元は紙幣としての質が低く、簡単に偽札が作れてしまいます。そのため、お店では店員が人民元を1枚ずつチェックすることもあり、高額な商品だと大量の人民元をチェックしなければならず手間がかかります。
場合によっては「カードじゃないとダメです」と断れてしまうこともあるので、1枚はカードを持っておくと安心です。
ホテルのチェックインではクレジットカードが必要
海外ホテルのチェックインではデポジットを請求されるので、クレジットカードを持っておくと便利です。現金でもデポジットは支払えますが、宿泊料金と同等以上(1.5倍ぐらいの請求が多い)を請求されるため、現金だと旅行を楽しむ前に多くのお金を失ってしまいます。
なので、クレジットカードでデポジットを支払うのがおすすめです。
ちなみに、中国ではチェックイン時にパスポートも一緒に提出する必要があります。中国では海外旅行者は公安に宿泊先を教える義務があり、ホテル側がその代行を行うためにパスポートを要求されます。
まとめ
以上が中国でのクレジットカード事情です。現金よりもクレジットカードの方がお得になりますが、少額の支払いでは現金を多用するので、4万円分ぐらいの人民元を用意しておきましょう。これだけあれば2日間は遊び倒すことができます。
クレジットカードを利用する場合は「銀聯カード」と「VISAかMasterCard」をそれぞれ1枚ずつ持っていくと完璧。銀聯カードは日本国内でも発行することができるので、旅行へ行く前に発行しておきましょう。申込からカードが手元に届くまで2週間ぐらいかかるので、早めの申込を。
【中国のクレジットカード事情まとめ】
・中国はクレジットカード社会が日本よりも進んでいる
∟理由1.銀聯(ぎんれん)カードと呼ばれるデビットカードを発行しており、中国人のほとんどが使っている
∟理由2.人民元は質が悪く偽札が作りやすい。お店で使うと店員は全てチェックしないといけないから面倒。高額な現金支払いは嫌われるので注意
・中国では銀聯カードが一番使いやすい
∟VISAやMasterCardでもお店側に加盟店手数料がかかるので、少額の決済で利用すると嫌がられる&使えない場合もある
∟銀聯カードは加盟店手数料0円なので、少額の決済でも使えるお店が多い
・日本でも三井住友カードで銀聯カードを発行することができます
∟中国への旅行が多い人や滞在期間が長い人は作っておくと便利
・中国の上海や北京などの大都市なら問題なく使えるが、少し離れた地域に行くと使えないお店も増えるので注意
∟都市部でも電車やバス、タクシー、屋台などではカードが対応していないこともあるので人民元を用意しておこう
∟「地元の人しか知らない飲食店に行きたい」といった少しコアな旅行を考えている場合はカードよりも人民元を中心に使うことを想定しておいた方がいい
∟コンビニや観光地、外資系飲食店、百貨店、ホテル、少し高めのレストランならクレジットカードが使える
