ステータスカードであるダイナースとアメックス。この両社がANAと提携して発行しているのがANAダイナースカードとANAアメリカン・エキスプレス・カードです。
2枚のカードは特徴が非常にシンプルであり、ダイナースとアメックスの特典にANAマイルの貯まりやすさを追加したものとなります。
しかし、それゆえに特典内容が似てしまい「どっちを選ぶべきか分からない」という方も多いはず。
そこで今回はANAダイナースカードとANAアメリカン・エキスプレス・カードのゴールドカードであるANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(通称:ANAアメックスゴールド)を比較して解説していきたいと思います。
ANAダイナースとANAアメックスゴールドの比較表
ANAダイナース | ANAアメックスゴールド | ||
---|---|---|---|
年会費 | 27,000円 | 31,000円 | |
家族カード | 6,000円 | 15,500円 | |
ポイント | 100円=1P | 100円=1P | |
ポイント有効期限 | 無制限 | 無制限 | |
マイル還元率 (ショッピング利用) | 1.0% (100円=1P) | 1.0% (100円=1P) | |
マイル還元率 (ANA航空券購入時) | 最大2.0% (100円=2P) | 最大3.0% (100円=3P) | |
空港ラウンジ | ○ | ○ (プライオリティ・パス) | |
海外旅行保険 | 傷害死亡・後遺障害 | 1億円 (5,000万円まで自動付帯) | 1億円 |
傷害治療補償 | 300万円 | 300万円 | |
疾病治療補償 | 300万円 | 300万円 | |
救援者費用 | 400万円 | 400万円 | |
賠償責任 | 1億円 | 4,000万円 | |
携行品損害 | 50万円 | 100万円 | |
国内旅行保険 | 傷害死亡・後遺障害 | 1億円 (5,000万円まで自動付帯) | 5,000万円 |
入院日額 | 10,000円/日 | – | |
通院日額 | 3,000円/日 | – | |
手術補償 | 10万円、20万円、40万円 (手術の種類に応じて) | – | |
キャンセル・プロテクション | × | ○ | |
手荷物宅配 | ○ | ○ | |
エグゼクティブ ダイニング | ○ | × |
ANAマイルの貯まりやすさを比較
まずは両カードの最大の魅力であるANAマイルの貯まりやすさを比較してみましょう。
ANAにたくさん乗るならANAアメックスゴールドが効率的
ANAダイナース | ANAアメックスゴールド | |
---|---|---|
マイル還元率 (ショッピング利用) | 1.0% (100円=1P) | 1.0% (100円=1P) |
マイル還元率 (ANA航空券購入時) | 最大2.0% (100円=2P) | 最大3.0% (100円=3P) |
ANAダイナースとANAアメックスは100円利用ごとに1ポイントが貯まり、貯まったポイントを等価でANAマイルに交換することができます。普段のショッピングで利用した分に関しては、どちらのカードも100円=1ポイントでポイントが貯まるため、マイル還元率は1.0%となります。
一方、ANA航空券の購入や機内販売などANAグループでの利用ではそれぞれポイントアップが適用され、ANAダイナースは100円=2ポイント、ANAアメックスゴールドは100円=3ポイントで貯めることができます。
このことからANAマイルを貯めやすいのはANAアメックスゴールドだと言えます。出張が多かったり、旅行好きで頻繁にANAを利用するのであれば、ANAアメックスゴールドです。
ショッピング利用がメインならANAダイナースがおすすめ
逆に、ANAにはあまり乗らず、毎月の決済額に応じてポイントをANAマイルに交換する場合はANAダイナースがおすすめです。ANAアメックスゴールドよりも年会費が4,000円安いため、余計な出費がなくなります。
ボーナスマイルや追加区間基本マイルは同じ
ANAダイナースもANAアメックスゴールドもボーナスマイルや追加区間基本マイルをもらえますが、もらえるマイル数や積算率は全て同じです。
ANAダイナース | ANAアメックスゴールド | |
---|---|---|
入会ボーナス | 2,000マイル | 2,000マイル |
毎年継続ボーナス | 2,000マイル | 2,000マイル |
区間基本マイル | 25%追加 | 25%追加 |
ただし、入会ボーナスに関しては定期的に両カードキャンペーンが開かれており、条件を満たせば最大数万マイルをもらうことができますので、もらえるマイル数で発行を判断するのもありです。
空港ラウンジを比較
ANAダイナースとANAアメックスゴールドはどちらも国内外の空港ラウンジを使える特典が付帯されています(ANAダイナースはダイナースカード共通の空港ラウンジ特典、ANAアメックスゴールドはゴールドカードで定番の空港ラウンジ特典)。
対象となる空港は微妙に違いますので、この点が比較ポイントとなります。
使い勝手がいいのはANAダイナース
ANAアメックスゴールドには多くのゴールドカードに付帯されている国内中心の空港ラウンジ特典しか付帯されておりません。アメックスのクレジットカードといえば、国内外の空港ラウンジが使えるプライオリティ・パスの無料発行特典が有名ですが、ANAアメックスゴールドはプライオリティ・パスの対象外です。
一方、ANAダイナースは国内外850ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できます。海外旅行ではANAダイナースの圧勝ですし、国内の空港ラウンジだけ比較してもANAダイナースの方が対象の数が多いです。
対象空港 | ANAダイナース | ANAアメックスゴールド |
---|---|---|
新千歳空港 | スーパーラウンジ ロイヤルラウンジ | スーパーラウンジ |
函館空港 | A Spring | A Spring |
青森空港 | エアポートラウンジ | エアポートラウンジ |
秋田空港 | ロイヤルスカイラウンジ | ロイヤルスカイラウンジ |
仙台空港 | ビジネスラウンジ EAST SIDE | ビジネスラウンジ EAST SIDE |
羽田空港 | 羽田空港 国際線ターミナル「Sky Lounge」 「Sky Lounge ANNEX」 羽田空港 第1ターミナル「エアポートラウンジ」 「POWER LOUNGE」 羽田空港 第2ターミナル「エアポートラウンジ」 「POWER LOUNGE」 | 羽田空港 国際線ターミナル「Sky Lounge」 羽田空港 第1ターミナル「エアポートラウンジ」 「POWER LOUNGE」 羽田空港 第2ターミナル「エアポートラウンジ」 「POWER LOUNGE」 |
成田国際空港 | T.E.Iラウンジ KAL Business Class Lounge IASS EXECUTIVE LOUNGE 1 IASS EXECUTIVE LOUNGE 2 | IASS EXECUTIVE LOUNGE 1 IASS EXECUTIVE LOUNGE 2 |
新潟空港 | エアリアムラウンジ | エアリアムラウンジ |
富山空港 | ラウンジらいちょう | ラウンジらいちょう |
中部国際空港 | プレミアムラウンジ セントレア KAL Lounge | プレミアムラウンジ セントレア |
小松空港 | スカイラウンジ白山 | スカイラウンジ白山 |
大阪国際空港(伊丹空港) | ラウンジオーサカ | ラウンジオーサカ |
関西国際空港 | 六甲 アネックス六甲 金剛 比叡 KAL Business Class Lounge | 六甲 アネックス六甲 金剛 比叡 |
神戸空港 | ラウンジ神戸 | ラウンジ神戸 |
岡山空港 | ラウンジマスカット | ラウンジマスカット |
広島空港 | ビジネスラウンジ もみじ | ビジネスラウンジ もみじ |
米子空港 | ラウンジDAISEN(大山) | ラウンジDAISEN(大山) |
山口宇部空港 | きらら | きらら |
出雲縁結び空港 | エアポートラウンジ | – |
高松空港 | ラウンジ 讃岐 | ラウンジ 讃岐 |
松山空港 | ビジネスラウンジ スカイラウンジ | ビジネスラウンジ スカイラウンジ |
徳島空港 | ヴォルティス | ヴォルティス |
北九州空港 | ラウンジひまわり | ラウンジひまわり |
福岡空港 | くつろぎのラウンジTIME ラウンジTIMEインターナショナル KAL Lounge | くつろぎのラウンジTIME ラウンジTIMEインターナショナル |
長崎空港 | アザレア | アザレア |
大分空港 | ラウンジくにさき | ラウンジくにさき |
熊本空港 | ASO | ASO |
鹿児島空港 | スカイラウンジ 菜の花 | スカイラウンジ 菜の花 |
那覇空港 | ラウンジ華~hana~ | ラウンジ華~hana~ |
ハワイ ダニエル・K・イノウエ国際空港(旧・ホノルル国際空港) | IASS HAWAII LOUNGE | IASS HAWAII LOUNGE |
特に目立つKALラウンジは大韓航空のラウンジであり、プライオリティ・パスを持つことで利用できます。このことから考えても、ダイナースの空港ラウンジ特典はプライオリティ・パス以上の機能が付帯されているスペシャルな特典だと言えます。
ANAアメックスゴールドなら同伴者1名も無料
ただ、ANAダイナースではカード保有者だけが無料であるため、同伴者は全て有料です。一方のANAアメックスゴールドは同伴者も1名まで無料。
ラウンジの利用料は1人1,000円~2,000円とそれほど高くありませんが、国内旅行が多く、かつ夫婦2人での旅行が多い場合などはANAアメックスゴールドの方が何かと都合がいいかもしれません。
旅行保険を比較
海外旅行保険の充実度は同レベル
両カードの海外旅行保険はどの項目もほぼ同額ですし、付帯条件も『自動付帯』と同じです。
わずかではありますが、一番利用頻度の高い『傷害治療補償』『疾病治療補償』『携行品損害』の3項目のうち『携行品損害』がANAアメックスゴールドの方が50万円多く補償してもらえるため、その点だけ比較すればANAアメックスゴールドの方が優秀だと言えます。
国内旅行保険はANAダイナースの勝ち
一方、国内旅行保険に関してはANAダイナースの方が充実しています。傷害死亡・後遺障害だけではなく、入院や通院、手術費用なども補償してもらうことができます。
ANAアメックスゴールドならキャンセル・プロテクションが付いている
旅行保険でANAアメックスゴールドが優れているのは『キャンセル・プロテクション』です。キャンセル・プロテクションとは、病気やケガなどで急に旅行に行けなくなった際に発生する航空券やホテル代などのキャンセル料を補償してもらえる保険のこと。
特に小さなお子さんがいる場合は旅行直前に体調を崩してしまうことも珍しくありませんので、非常に便利です。
結論:ANAマイルを貯めるならANAアメックスゴールド、使い勝手ならANAダイナースがおすすめ
それぞれの特徴をまとめると、『ANAマイルを貯める目的で発行する』のであればANAアメックスゴールド、『ANAマイルも貯めたいけど旅行を快適にもしたい』のであればANAダイナースが相性がいいです。
ANAアメックスゴールドを持っていればANA航空券の購入時にもらえるポイントが3倍になり、マイル還元率3.0%(100円=3ポイント=3マイル)まで引き上げることが可能。本家ANAカードのゴールドでもマイル還元率は2.0%ですから、ANAアメックスゴールドの方が効率がいいです。
一方のANAダイナースはANA航空券購入時のマイル還元率が2.0%になってしまうものの、世界中の空港ラウンジを無料でできたり、出発の前日に所定のホテルの部屋を準備してもらえたりなど、快適な旅行を実現できるサービスが数多く付帯されています。
コメント欄