「海外旅行保険みたいに国内旅行保険があれば安心なのかな?」
「国内旅行中にケガしたり、食中毒になったりしたら保険金がもらえるって本当?」
「国内旅行保険の加入をすすめられたんだけど、本当に必要なの?」
「台風で飛行機が飛ばなくなるかもしれないから、飛行機遅延の保険につい詳しく知りたい」
クレジットカードの海外旅行保険に関しては利用者も多いため、ネット上でも様々な情報を見つけることができますが、国内旅行保険に関しては利用者も少ないためか情報量も少ないです。
そこで、このページではクレジットカードの国内旅行保険に関する全情報をまとめています。
『そもそも国内旅行保険とは何か?』という基本的なものから『利用するための条件』『加入時に確認するべき注意点』『保険会社との違い・比較』『実際に利用するときの手順』といった、「いざ利用しようと思ったら使えない…」「あっちの方がお得だった…」をなくすために必要な知識まで解説していますので、国内旅行保険を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
国内旅行保険とは?
国内旅行保険とは、国内旅行中のケガで発生する入院費用や通院費用、持ち物の紛失、飛行機の遅延など、様々な損害を補償してもらえる保険のこと。実際の補償範囲は各クレジットカードごとに決められています。
国内旅行保険の項目
「じゃあどんなときにどれぐらい保険金がもらえるの?」というのは、各補償項目に確認することができます。
補償項目 | 補償内容 |
---|---|
死亡・後遺障害 | 旅行中の事故で死亡または後遺障害が残った場合に支払ってもらえる保険金 |
入院日額 | 旅行中のケガで入院が必要になった場合に支払ってもらえる保険金。1日あたり5,000円もらえるものが多い |
手術費用 | 旅行中のケガで手術が必要になった場合に支払ってもらえる保険金。10万円、30万円、50万円など何パターンか補償額が用意されているものが多い |
通院日額 | 旅行中のケガで通院が必要になった場合に支払ってもらえる保険金。1日あたり5,000円もらえるものが多い |
携行品損害 | 旅行中に持ち物を紛失した際に修理費用を補償してもらえる保険金。カメラやスマホなどが対象になる |
個人賠償責任 | 他人の所有するものを壊してしまった場合に発生する弁償代を補償してもらえる保険金 |
救援者費用 | 入院が必要になったとき旅行先の病院まで親族が来る時に発生する交通費を補償してもらえる保険金 |
航空機遅延・欠航費用 | 天候の悪化などで飛行機が遅延または欠航した際に発生する宿泊費や飲食代を補償してもらえる保険金。 |
例えば、飛行機で移動中に墜落事故によって死んでしまった場合、『死亡・後遺障害』で設定された金額を保険金として受け取ることができます。
海外旅行保険との違い
クレジットカードには海外旅行保険も用意されていますが、用意されている補償項目が国内旅行保険と異なります。
具体的には海外旅行保険には『携行品損害』『個人賠償責任』『救援者費用』の3つがありますが、国内旅行保険にはこの3項目は用意されていません。
カメラや自転車などの修理費用、沖縄で死亡して東京まで遺体を運んでもらう費用などは全て実費での支払いとなります。
クレジットカードと保険会社の国内旅行保険の違い
国内旅行保険は保険会社からも提供されています。
海外旅行保険と同じく保険会社の国内旅行保険には『携行品損害』『個人賠償責任』『救援者費用』の3つがありますが、クレジットカードの国内旅行保険にはこの3項目は用意されていません。
そのため、「旅行に持っていくカメラやスマホに保険をかけたい」「子供がホテルの備品を壊すかもしれないから保険に加入したい」といった場合は保険会社の国内旅行保険に加入しておくのがベストです。
関連記事:FP2級がおすすめする保険会社の国内旅行保険【まとめ】
また、保険会社の国内旅行保険は必ず保険料が必要なのに対し、クレジットカードの国内旅行保険は保険料が必要ありません。
国内旅行保険の対象外となるもの
食中毒やインフルエンザなどの病気
国内旅行保険の補償はあくまでもケガに関するものですので、食中毒やインフルエンザといった病気のものは補償されません。
地震や津波などの災害
地震や津波なども旅行とは因果関係がありませんので、保険の対象外です。
登山やスカイダイビングなど危険なスポーツでのケガ
ケガの確立を高めるアクティビティは故意のケガに近い形となってしまうため、クレジットカードの国内旅行保険では適用外となります。
いくつかの分野では保険会社提供で保険が用意されていますので、そちらに加入しましょう。
国内旅行保険の必要性
国内でケガをしても国民健康保険(または健康保険)が適用され、ある程度の医療費をカバーしてもらうことができるため、「いらないのでは?」と国内旅行保険の必要性に疑問を感じる方も多いかと思います。
しかし、国内旅行保険の項目を見てもわかるように、国内旅行保険は死亡した時や持ち物の紛失した時の修理代、他人の所有物を壊した時の弁償代など国民健康保険(または健康保険)にはない補償項目が用意されていますので、
「もし私が死んだら妻に保険金を残したい」
「このカメラのレンズ20万円するから傷がついた時の保険をかけたい」
「スマホをよく落とすから画面が割れた時に対処したい」
といった場合にも柔軟に対応できます。
危険度が高い登山や宿泊施設の備品を壊しやすい子供との旅行、飛行機が運航中止になりやすい台風・雪の多い時期の旅行などを検討している方は、特に国内旅行保険の加入によって数十万円の損失を防ぐことができるでしょう(ただし、クレジットカードの国内旅行保険は保険会社のものより補償範囲が狭いため、場合によっては保険会社の国内旅行保険への加入を検討する必要があります)。
クレジットカードの国内旅行保険の加入方法
クレジットカードの国内旅行保険は原則手続きなしで加入することができます(必要になったときだけ使えます)。
ただ、各カードごとに利用条件が設定されていますので、その点はクリアしておく必要があります。
利用条件は大きくわけて
- 自動付帯
- 利用付帯
の2種類があります。
自動付帯は無条件で加入扱い
自動付帯のクレジットカードの場合は、無条件で保険加入が認められます。カード自体を家に置いていても保険を使えますが、実際に利用する場合カード番号が必要になってきますので、できるだけ旅行に持っていきましょう。
利用付帯は指定の料金をカード払いしたときのみ加入扱い
利用付帯のクレジットカードでは、ツアー料金や宿泊料金、公共交通機関の料金をカードで支払ったときのみ保険加入が認められます。
- 飛行機
- 電車(新幹線含む)
- バス
- タクシー
- 船
クレジットカードによって細かく指定範囲が決まっていますので、旅行前に確認しておくことで「使えなかった…」を防ぐことができます。
実際にクレジットカードの国内旅行保険を使う手順
- 病院で受診をする
- カード会社指定の保険会社に事故内容を連絡する
- 指定された書類を提出する
- 保険金を受け取る
病院で受診をする
海外旅行保険の場合はカード会社指定の病院を利用する必要がありますが、国内旅行保険に関してはそのような縛りはありません。最寄りの病院で受診しましょう。
カード会社指定の保険会社に事故内容を連絡する
保険金はカード会社が提携している保険会社から支払われますので、事故内容を報告する必要があります。
指定の保険会社は約款に記載されています。
例えば、私の保有するとあるゴールドカードには損保ジャパン日本興亜JCB事故受付デスクが連絡先として書かれています。電話番号も同じく約款の中に記載されていますので、確認しておきましょう。
また、保険会社への連絡には期限があります(通常は『事故発生日から30日以内の連絡』)。先延ばしにすると保険金をもらえなくなりますので注意しておきましょう。
指定された書類を提出する
利用したい補償項目ごとに指定された書類を保険会社に提出します。例えば、
- 保険金請求書
- 事故証明書
- 傷害状況報告書
- 会員の印鑑証明(場合によっては必要)
- 医師の診断書(場合によっては必要)
- 同意書
- 委任状(場合によっては必要)
- 会員の参加する募集型企画旅行が宿泊を伴うものであることを証明する書類(場合によっては必要)
- その他の書類(場合によっては必要)
を準備する必要があります。必要書類も約款にまとめられていますし、具体的なことは保険会社に報告した際に教えてもらうことができます。
保険金を受け取る
必要書類まで提出が完了すれば、数週間後に保険金が口座に支払われます。