旅行保険と言えば海外旅行保険が有名ですが、実は国内旅行保険というものもあります。
国内旅行保険とは、国内旅行中のケガや病気の治療費や旅行先で他人の持ち物を紛失した場合の弁償代、紛失したスマホやカメラの修理代、飛行機の遅延・欠航による損害などを補償してもらえる保険のことです。
各項目ごとに補償範囲が違いますので、「どの項目がどのような補償をしてくれるのか?」を確認することが、国内旅行旅行保険を知る第一歩だと言えます。
国内旅行保険の概要【早見表】
保証項目 | 補償内容 |
---|---|
死亡・後遺障害 | 旅行中の事故で死亡または後遺障害が残った場合に支払ってもらえる保険金 |
入院日額 | 旅行中のケガで入院が必要になった場合に支払ってもらえる保険金。1日あたり5,000円もらえるものが多い |
手術費用 | 旅行中のケガで手術が必要になった場合に支払ってもらえる保険金。10万円、30万円、50万円など何パターンか補償額が用意されているものが多い |
通院日額 | 旅行中のケガで通院が必要になった場合に支払ってもらえる保険金。1日あたり5,000円もらえるものが多い |
携行品損害 | 旅行中に持ち物を紛失した際に修理費用を補償してもらえる保険金。カメラやスマホなどが対象になる |
個人賠償責任 | 他人の所有するものを壊してしまった場合に発生する弁償代を補償してもらえる保険金 |
救援者費用 | 入院が必要になったとき旅行先の病院まで親族が来る時に発生する交通費を補償してもらえる保険金 |
航空機遅延・欠航費用 | 天候の悪化などで飛行機が遅延または欠航した際に発生する宿泊費や飲食代を補償してもらえる保険金。 |
基本的には上記の項目ごとに補償額が設定されています。保険会社が用意する約款(「やっかん」、保険内容が書かれた書類)を見ると詳しく書かれているのですが、文字がビッシリと記載されており、非常に読みづらいものが多いです。
ですので、約款を見る場合は上記で紹介した保証項目に絞って確認すると、効率よく情報をチェックすることができます。
クレジットカードの国内旅行保険では携行品損害、個人賠償責任、救援者費用が付帯されていない
保険会社の国内旅行保険では携行品損害、個人賠償責任、救援者費用の3つが用意されていますが、クレジットカードの国内旅行保険では補償されません。
「カメラのメーカー保証だけだと心配だから追加で保険に加入したい」
「子供が旅館の備品を壊さないか心配だから個人賠償責任が欲しい」
「沖縄に旅行に行くから、万が一のときに東京から家族が病院まで来れるように救援者費用を用意したい」
上記のように考えている場合は、保険会社の国内旅行保険を利用しましょう。
※また、このページでは携行品損害、個人賠償責任、救援者費用に関してこれ以上深い解説は行いません。
死亡・後遺障害
『死亡保険金』と『後遺障害保険金』の2つがセットになっている項目です。
<死亡保険金>
事故により全身を強打し、死亡した
<後遺障害保険金>
事故によるケガが原因で下半身不随となった
基本的にはケガが対象であり、病気による死亡や後遺障害は保険の対象外となります。
クレジットカードの国内旅行保険で「最高3,000万円を補償!」と表記されているのは死亡・後遺障害です。
ただ、利用頻度自体は他の項目よりも低いため「死んだときに家族に保険金を残したい」といった場合でなければ重要度も低いと言えます。
保険金を受け取るための条件
保険金を受け取るための条件は保険会社ごとに異なりますが、概ね以下の通り。
『旅行中に公共交通乗用具に乗車中』『ホテルなどの宿泊施設の火災・爆発』『宿泊を伴うツアー中』の事故によるケガのため、事故発生日から180日後に死亡した場合
【後遺障害保険金】
『旅行中に公共交通乗用具に乗車中』『ホテルなどの宿泊施設の火災・爆発』『宿泊を伴うツアー中』事故によるケガのため、事故発生日から180日後に後遺障害が発生した場合(障害の重さごとに受け取れる保険金額が変動します)
入院日額
旅行中のケガによって発生した入院費用を補償してくれる項目です。
クレジットカードの国内旅行保険の場合、1日あたり3,000円~5,000円で設定されています。1週間入院すると21,000円~35,000円受け取れる計算。
受け取れる期間は事故日から最大180日間。
死亡・後遺障害と比べると利用頻度は高いですが、保険金を受け取るための条件(以下を参照)が公共交通乗用具(飛行機や新幹線など)に乗車中の事故やホテルの火災・爆発など限定的であるため、どんな場合でも基本的に補償される海外旅行保険と比べると必要性は低いと言えます。
保険金を受け取るための条件
『旅行中に公共交通乗用具に乗車中』『ホテルなどの宿泊施設の火災・爆発』『宿泊を伴うツアー中』の事故によるケガのため、入院した場合
手術費用
旅行中のケガによって発生した手術費用を補償してくれる項目です。クレジットカードの国内旅行保険の場合、手術の種類に応じて『入院費額×10倍、20倍、40倍』で設定されています。
例えば、入院費額5,000円で10倍が適用される手術を受けた場合、5万円を手術費用の保険金として受け取れます。
保険金を受け取るための条件
『旅行中に公共交通乗用具に乗車中』『ホテルなどの宿泊施設の火災・爆発』『宿泊を伴うツアー中』の事故によるケガのため、手術した場合
通院日額
旅行中のケガによって発生した通院費用を補償してくれる項目です。1日あたり1,000円~2,000円で設定されており、保険金を受け取れる期間は事故日から最大90日間です。
保険金を受け取るための条件
『旅行中に公共交通乗用具に乗車中』『ホテルなどの宿泊施設の火災・爆発』『宿泊を伴うツアー中』の事故によるケガのため、通院が必要な場合
保険金を受け取れないケース
以下の場合、クレジットカードの国内旅行保険で保険金を受け取ることができません。
- 契約者、被保険者、保険金受取人の故意または重大な過失がある
- 闘争行為、自殺行為、犯罪行為
- 無免許運転、酒気帯び運転など危険度の高い運転中の事故
- 脳疾患、疾病、心神喪失
- 妊娠、出産、早産、流産
- 戦争、外国の武力行使、革命、内乱等の事変、暴動
- 地震、噴火、津波
- 自動車などの乗用具の競技、競争もしくは興行またはこれらのための練習を行っている間の事故
- テストライダー、オートバイ競争選手、自動車競争選手、自転車競走選手、プロボクサー、プロレスラー等やその他これらと同程度またはそれ以上の危険を有する職業に従事している間の事故
- ピッケルなどの登山具を使った登山、職務以外での航空機操縦、スカイダイビング、ハンググライダー搭乗など危険な行為中の事故
- 食中毒
また、事故発生日から7日以内に完治した場合は保険金を受け取ることができません。
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