海外旅行好きの間では「クレジットカードを複数枚持って海外旅行保険の補償額をアップさせる」という技は有名であり、ネット上で情報を見かけたことがある方も多いかと思います。
ただ、Yahoo!知恵袋などを見ると「クレジットカードの海外旅行保険は補償額が高いのしか適用されない」といった間違った情報もあるので、正しい情報が分からなくなっている方もいるかもしれませんね。
そこで今回は、複数のクレジットカードを持っている時の海外旅行保険について解説していきたいと思います。
クレジットカードの海外旅行保険はたくさん持つほど補償額が大きくなる
クレジットカードに付帯されている海外旅行保険はクレジットカードの枚数だけ加算することができます。実際に私がよく使っているクレジットカードを例にすると
セゾンブルーアメックス(※) | エポスカード | 合計 | |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 3,000万円 | 500万円 | 3,000万円 |
傷害治療費用 | 300万円 | 200万円 | 500万円 |
疾病治療費用 | 300万円 | 270万円 | 570万円 |
賠償責任 | 3,000万円 | 2,000万円 | 5,000万円 |
救援者費用 | 200万円 | 100万円 | 300万円 |
携行品損害 | 30万円 | 20万円 | 50万円 |
※:セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カードの略称。以下セゾンブルーアメックスと記載
といった感じで、「傷害死亡・後遺障害」以外の項目は全て補償額を合計することができます。
クレジットカードの海外旅行保険で特に利用頻度の高い「傷害治療費用(ケガの治療費を補償)」「疾病治療費用(病気の治療費を補償)」「携行品損害(持ち物の紛失・盗難を補償)」の3項目がアップするのは大きなメリットです。
体調を崩して病院へ行っても診察費や薬代は補償額以内なら全てカバーしてもらえますし、スマホを盗まれても新しいスマホの購入代金を全て補償してもえますよ。
傷害死亡・後遺障害保険だけは最高補償額が適用される
唯一合算されないのは「傷害死亡・後遺障害保険」の項目です。この項目は「ケガによる死亡事故」や「後遺症が残るような事故」に巻き込まれたときに補償してもらえます。
適用されるのは一番補償額の高いカードだけ。
先ほどの私の持っているクレジットカードの例で言うと、セゾンブルーアメックスが3,000万円、エポスカードが500万円なので、セゾンブルーアメックスの3,000万円だけが適用されます。
複数のキャッシュレスの加算も可能
キャッシュレス診療に対応しているクレジットカードを持っていれば、現地病院での医療費の支払いを全てカード会社に立て替えてもらうことができます。通常であれば自分で現金を用意して支払わなければいけませんが、医療費が高額になるほど現金を用意するのが難しいので、キャッシュレスがあると非常に便利。
キャッシュレス診療の上限額もクレジットカードの枚数だけ加算することができるので、高額な診療・治療にも対応することができ、万が一への安心感がより一層高まります。
補償額が十分なら旅行代理店の海外旅行保険に入る必要なし
旅行代理店の海外旅行保険か複数枚のクレジットカードによる海外旅行保険のどちらにするべきか迷う方もいるかと思います。
究極的に言えば個人の判断になるのですが、個人的には補償額に満足してれば旅行代理店の海外旅行保険には入る必要はないと思っています。
例えば、韓国に旅行へ行くとしましょう。
韓国は医療費が非常に安いため、体調を崩して診療・薬をもらったとしてもトータルの医療費は3万円~5万円程度でしょう。自腹で払うのはキツイですが、クレジットカードの補償があれば十分カバーできる額です。
骨折をして1週間入院したとしても入院代含めても10万円~30万円程度ですから、こちらもカバーできますね。旅行代理店の海外旅行保険に加入するだけムダになってしまいます。
一方、医療費の高いアメリカ(ニューヨーク)に行った場合、初診料で3万円、簡単な内視鏡検査で10万円、入院1日で100万円ほどかかります。
ニューヨーク市マンハッタン区の医療費は同区外の2倍から3倍ともいわれており、一般の初診料は150ドルから300ドル、専門医を受診すると200ドルから500ドル、入院した場合は室料だけで1日数千ドルの請求を受けます。例えば、急性虫垂炎で入院し手術後腹膜炎を併発したケース(8日入院)は7万ドル、上腕骨骨折で入院手術(1日入院)は1万5千ドル、貧血による入院(2日入院、保存療法施行)で2万ドル、自然気胸のドレナージ処置(6日入院、手術無し)で8万ドルの請求が実際にされています。
この場合、クレジットカードの補償額だけでは不安なところもあるので、旅行会社の海外旅行保険に加入しておいた方がいいでしょう。
このように旅行代理店の海外旅行保険か複数枚のクレジットカードによる海外旅行保険のどちらに加入するべきかは、旅行先の国の医療費の高さが一つのポイントとなります。基本的にはアメリカとヨーロッパの国々が医療費高めですね。
また、滞在期間も個人的には海外旅行保険に加入するかどうかの一つの判断材料にしています。
例えば、医療費の高いフランスに旅行に行くとしましょう。
4泊ぐらいの短期滞在であれば事故や病気になる確率もかなり低いため、私ならクレジットカードの海外旅行保険だけで済ませます。考えられる大きなケガは骨折ぐらいですし、交通事故に巻き込まれない限りは入院・手術も必要にならなそうですからね。
医療費が高いと言っても日常的な病気・ケガであれば高くてもせいぜい100万円~150万円程度。私は500万円以上補償するようにカードを組み合わせているので、余裕で払うことができます。
これが持病持ちだったり年齢的にも病気になりやすいシニアの方なら、旅行中に脳梗塞になって「入院・手術で1,000万円」なんてこともありますが、10代や20代、30代であればそういった心配も限りなく0でしょう。
旅行会社の海外旅行保険が心強いのは分かりますが、やはりそれなりに費用もかかってしまいますので、予算オーバーしてまでも入る必要はないと私は思っています。
クレジットカードにバラ掛けで海外旅行保険を上乗せするのもあり
先ほども少し紹介しましたが、クレジットカードの海外旅行保険に「ネット加入できる海外旅行保険」を上乗せするのもおすすめです。
通常の海外旅行保険は「セット販売」となっているため、利用頻度の少ない範囲まで補償されており、その分保険費用も高額になっています。
しかし、損保ジャパンの新・海外旅行保険off!(オフ)のように必要な項目だけを上乗せで加算できる海外旅行保険もあり、余計な項目が付いていない分保険費用も安く節約に繋がります。
「医療費の安いアジアの国々に行くときはクレジットカード複数枚でカバーし、アメリカやヨーロッパに行くときは新・海外旅行保険off!で補償額を上乗せする」といった技も上手に費用を節約しながら万が一に備える方法としておすすめですよ。
複数枚のクレジットカードを持っている時の海外旅行保険の利用方法
複数枚のクレジットカードで海外旅行保険を利用する方法は、クレジットカード1枚で海外旅行保険を使う時とほとんど同じです。
「カード会社のサポートデスクに連絡 ⇒ 最寄りの提携病院を紹介してもらう ⇒ 提携病院で診察・治療を受ける ⇒ 帰国後、カード会社の指示通りに保険の手続きを済ませる」といった感じ。
唯一違うのはサポートデスクに連絡した際に複数枚のクレジットカードの海外旅行保険を使いたい旨を伝えるということ。わざわざ各カード会社に連絡をする必要はありませんし、揃えるべき書類や手続きなどはサポートデスクが考えてくれるので、スムーズに海外旅行保険を利用することができます。
まとめ
クレジットカードを複数枚持つことで海外旅行保険を合算できると万が一の病気やケガでも安心できますし、海外旅行保険の節約にも繋がるので「旅行代理店のちょっと保険費用が高いな」と感じる方は試してみる価値ありですよ。
年会費無料で「傷害治療費用」「疾病治療費用」「携行品損害」の補償額の高いカードを選べば、コストも最大限に抑えられるのでおすすめです。
私の使っているセゾンブルーアメックスやエポスカードも年会費無料(セゾンブルーは26歳以上は3,000円)で持てますし、審査も簡単なので大学生やフリーターの方でもすぐに発行できますよ。
旅行のお守りとして、ぜひ使ってみてくださいね。
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