クレジットカードの特典でプライオリティ・パスを発行する際に、候補としてあがりやすいのがアメリカン・エキスプレス・カード(以下、アメックスグリーン)と楽天プレミアムカード。
年会費も1万円近くと、プライオリティ・パスの発行特典が付いているクレジットカードの中ではリーズナブルであるため、プライオリティ・パス目的で発行するカードとしては最適です。
しかし、年会費を含め、似ている部分が多いからこそ「どちらを発行するべきなのか」迷ってしまう部分が多くなるのも事実。すでに両カードを持っている人なら「どちらを解約するべきか」悩む部分もあるでしょう。
そこで、このページではアメックスグリーンと楽天プレミアムカードを比較し、どのような優劣があるのかを解説していきたいと思います。
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アメックスグリーンと楽天プレミアムカードの比較表
まずは簡単に比較表を紹介し、その後、各項目について詳しく解説します。
アメックスグリーン | 楽天プレミアムカード | |
---|---|---|
年会費 | 12,000円(税抜) | 10,000円(税抜) |
国際ブランド | AMEX | VISA/MasterCard/JCB/AMEX |
家族カード | 6,000円(税抜)/1枚 | 550円(税抜)/1枚 |
ETC | 無料 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.3%~1.25% (100円=1P) | 1.0%~3.0% (100円=1P) |
マイル還元率 | 1% (1P=1マイル) | 0.5% (2P=1マイル) |
マイル交換先 | 15航空会社 | ANAのみ |
国内空港ラウンジ | 無料 (同伴者1名も無料) | 無料 |
プライオリティパス | スタンダード会員 | プレステージ会員 |
手荷物無料宅配サービス | ○ | ○ |
サポートデスク | ◎ | ○ |
海外キャッシング | × | ○ |
海外旅行保険 | 最高5,000万円 | 最高5,000万円(※) |
国内旅行保険 | 最高5,000万円 | 最高5,000万円 |
比較1.プライオリティ・パスは楽天プレミアムカードの勝ち
どちらのカードもプライオリティ・パスを付帯していますが、細かく見ると違いがあります。
プライオリティ・パスには3つの会員ランクが存在し、以下のように、それぞれのランクによって空港ラウンジの利用料金が変動します。
ランク | 年会費 | ラウンジ利用料 | 同伴者の利用料 |
---|---|---|---|
スタンダード会員 | 99米ドル(約11,000円) | 32米ドル | 32米ドル |
スタンダードプラス会員 | 299米ドル(約33,500円) | 32米ドル(10回まで無料) | 32米ドル |
プレステージ会員 | 429米ドル(約48,000円) | 無料 | 32米ドル |
アメックスグリーンで発行できるプライオリティ・パスのランクはスタンダード会員、楽天プレミアムカードはプレステージ会員です。
よって、プライオリティ・パスを一番の目的として発行を検討している場合は楽天プレミアムカードの方がおすすめです。
海外の空港ラウンジを利用するときに、わざわざラウンジ利用料を払う必要はありませんし、免除される年会費も楽天プレミアムカードの方が高額。その差は日本円で約37,000円です。
プライオリティ・パスで利用できる空港ラウンジは両カード同じですので、楽天プレミアムカードに軍配が上がります。
比較2.国内空港ラウンジ特典はアメックスグリーンの勝ち
空港ラウンジに関する特典はもう一つあります。
こちらの特典はゴールドカード以上なら付帯されていることが多い空港ラウンジ特典であり、国内主要空港のラウンジを中心に利用することができます。
アメックグリーンも楽天プレミアムカードもゴールドカード以上のクレジットカードであるため、当然、空港ラウンジ特典は付帯されています。
しかし、アメックグリーンは本会員に加え同伴者1名まで無料でラウンジを使うことができるため、利便性はアメックスグリーンの勝ちだと言えます。
一方の楽天プレミアムカードは、同伴者が利用する場合に利用料として1,000円ほど(料金はラウンジごとに変動)必要になるため、友人や恋人、家族で飛行機を利用する人ほどコストがかかってしまいます。
空港ラウンジ特典で利用できるラウンジは国内線が基本。海外旅行が多い場合はプライオリティ・パス特典が優れた楽天プレミアムカード、国内旅行が多い場合はアメックスグリーンがおすすめです。
比較3.ポイントの貯まりやすさは楽天プレミアムカードの勝ち
アメックスグリーンのポイントは100円利用ごとに1ポイント貯まりますが、商品や電子マネーと交換するときに「1ポイント⇒0.5円分の商品」になることが多いため、還元率は0.5%程度。
クレジットカードのポイント還元率は0.5%が平均ですので、お世辞にもアメックスグリーンはポイントの貯まりやすいカードとは言えません。
一方、楽天プレミアムカードも100円利用ごとに1ポイント貯まりますが、1ポイント⇒1円として楽天市場や楽天トラベルの代金として使用することができるため、還元率は1.0%になります。
単純計算で楽天プレミアムカードの方が、お得度は2倍。
また、楽天トラベルではクレジットカードを持っていない人でも楽天ポイントを100円利用ごとに1ポイント貯められるため、楽天プレミアムカードで決済すれば合計2ポイント貯めることができます。
さらに、楽天プレミアムカードは発行時に『楽天市場コース』『トラベルコース』『エンタメコース』から好きなコースを選ぶことができ、『トラベルコース』を選ぶと楽天トラベル決済でさらに追加+1%でポイントを貰うことができます。
合計で1円=3P(ポイント還元率3.0%)という超高還元率でポイントを貯めることができますので、旅行好きほど圧倒的にお得になります。
クレジットカードの一番の魅力であるポイントをガッツリと、しかも簡単に使えるのは楽天プレミアムカードの魅力ですので、節約好きの方ならアメックスグリーンよりも楽天プレミアムカードの方がお得感を感じられます。
比較4.マイルの貯まりやすさはアメックスグリーンの勝ち
ポイントの貯まりやすさは楽天プレミアムカードですが、マイルの貯まりやすさはアメックスグリーンの勝ちです。
楽天プレミアムカードは2P⇒1マイルに交換できないうえ、交換先もANAマイルのみとなっています。
一方、アメックグリーンは1P⇒1マイル*1で交換でき、交換先もANAマイルやチャイナエアライン、デルタ航空など世界15航空会社のマイルと交換することができます。
また、アメックスグリーンはポイント期限も無制限ですので、焦らずにじっくりとポイントを貯めてマイルに交換することも可能です(ちなみに楽天プレミアムカードも年1回以上使えばポイント期限が伸びるので、実質無制限で貯めることができます)。
比較5.海外でのサポート力はアメックスグリーンの勝ち
ゴールドカード以上のクレジットカードなら海外現地はもちろん、旅行の出発前(準備段階)でも、カード会社のサポートデスクを利用することができます。
アメックスグリーンと楽天プレミアムカードを比較すると、サポート力はアメックグリーンの方が上です。
アメックスグリーン | 楽天プレミアムカード | |
---|---|---|
サポートデスク | H.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク ・航空券や宿泊施設、ツアーの予約代行 ・H.I.S.の海外支店による現地サポート(一覧) | トラベルデスク 世界38ヶ所での現地デスクによるサポート(一覧) |
電話サポート | グローバル・ホットライン | トラベルデスク |
手荷物無料宅配サービス | ○ | △ 年2回まで |
無料ポーターサービス | ○ | × |
アメックスグリーンのサポートデスクの方が幅広く対応してくれる
まず、サポートデスクに関して。
アメックスグリーンは旅行業者のH.I.S.と提携した『H.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク』を用意しています。
航空券の購入や宿泊施設の予約、ツアーの予約を代行してくれことはもちろん、H.I.S.に旅行プランを全て立てもらうことも可能です。
一般的なゴールドカード以上のクレジットカードであればトラベルデスクによる予約代行のサービスは付帯されていますが、旅行プランの計画までは考えてくれません。
特に楽天プレミアムカードのサポートデスク『トラベルデスク』は、現地での予約代行や緊急時のサポートしか行っておらず、旅行前に関してはノータッチ。しかも、海外現地にいるときしか利用することができませんので、アメックスグリーンが大きく差をつけて勝っていると言えます。
電話サポートはどちらも24時間日本語で対応
次に電話サポートについて。
アメックグリーンでは『グローバル・ホットライン』、楽天プレミアムカードでは先ほどのトラベルデスクのサービスとして電話サポートが用意されています。
どちらも24時間日本語で対応してもらえますので引き分け。優劣に差はありません。
手荷物無料宅配サービスはアメックグリーンの方が多く使える
次に手荷物無料宅配サービスについて。
こちらに関しても両カードで利用することができますが、楽天プレミアムカードは年2回までと制限があるため、アメックスグリーンの方が使い勝手がいいと言えます(アメックスグリーンの利用回数は無制限)。
特に海外旅行・海外出張の頻度が多いほどアメックスグリーンの方がストレスなく使えます。
アメックスグリーンだけ無料ポーターサービスを付帯
最後に無料ポーターサービス*2について。
アメックスグリーンには無料ポーターサービスが付帯されていますが、楽天プレミアムカードには付いていません。
手荷物無料宅配サービスは自宅から空港間で運んでもらえますが、あくまでもスーツケース1つ分ですので、無料ポーターサービスがあれば旅行同伴者の分も1つだけ代わりに運んでもらえ、2人で快適なフライト前を過ごすことができます。
比較6.海外旅行保険は楽天プレミアムカードの勝ち
アメックスグリーンと楽天プレミアムカードの海外旅行保険は以下のとおり。
アメックスグリーン | 楽天プレミアムカード | |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 5,000万円 | 5,000万円(※) |
傷害治療補償 | 100万円 | 300万円 |
疾病治療補償 | 100万円 | 300万円 |
賠償責任 | 3,000万円 | 3,000万円 |
救援者費用 | 200万円 | 200万円 |
携行品損害 | 100万円 | 50万円 |
海外旅行保険の中でも利用頻度の高い『傷害治療補償(ケガの治療費を補償)』と『疾病治療補償(病気の地用費を補償)』を比較すると、楽天プレミアムカードの方が充実していることが分かります。
300万円まで補償してもらえれば、中国や韓国、シンガポールなどアジアの国々では1枚でカバーでき、安心して海外旅行を楽しむことができます。
また、掛け捨ての海外旅行保険に加入する手間を省けますので、時間の節約にもなります。
一方、アメックスグリーンの補償額は100万円。
最近は年会費無料のクレジットカードでも100万円以上補償されていることは珍しくありませんので、年会費を考えると微妙だと言えます。
一応、年会費無料で海外旅行保険が充実したクレジットカードをサブカードとして保有することで問題を回避することができますので、アメックスグリーンの発行を検討している場合はあわせて発行しておくのもおすすめです。
家族特約はアメックスグリーンの勝ち
家族特約を比較すると以下のとおり。
アメックスグリーンの家族特約 | 楽天プレミアムカードの家族特約 | |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1,000万円 | × |
傷害治療補償 | 100万円 | × |
疾病治療補償 | 100万円 | × |
賠償責任 | 3,000万円 | × |
救援者費用 | 200万円 | × |
携行品損害 | 100万円 | × |
楽天プレミアムカードは付帯されていないのに対し、アメックスグリーンは本会員の海外旅行保険と同額の家族特約が付帯されています。
家族特約があれば旅行を同伴する息子や娘、配偶者、両親も海外旅行保険の対象としてもらえますので、少し安心です。金額は少ないですが、全くないよりかはマシでしょう。
航空機遅延費用などはどちらも付いていない
航空機遅延費用や航空機寄託手荷物遅延等費用など航空機に関する保険はどちらも付帯していませんので引き分けです。
比較7.海外キャッシングは楽天プレミアムカードの勝ち
海外ATMから現金を引き出す『海外キャッシング』に関しては楽天プレミアムカードの勝ち。
アメックスグリーンを含めアメリカン・エキスプレス・カードのプロパーカードはキャッシングサービスを廃止しているため、国内外どちらでもキャッシングを行うことはできません。
一方、楽天プレミアムカードは最高50万円まで引き出すことができます。これだけの金額があれば、よっぽど豪遊しない限り上限いっぱいまで使ってしまうことはないでしょう。
海外旅行保険と同じく年会費無料で海外キャッシングに強い(具体的には手数料やレートがお得な)クレジットカードもありますので、アメックスグリーンの発行を検討している場合はあわせて発行しておくのもありです。
比較8.ステータスはアメックスグリーンの勝ち
最後にカードのステータス性を比較します。
クレジットカードのステータスは評価する人によって大きく変わるため判定が難しいですが、アメックグリーンの方が少しだけ上でしょう。
やはり楽天プレミアムカードはゴールドカードと言っても、そもそもの楽天カードの評価があまり良くない(特にクレジットカードが好きな人から)ため、ステータス性はゴールドカードの中で下の方です。
楽天プレミアムカード利用者は「ポイントがたくさん貯まればいい」「ステータスなんて気にしない」という人ですので当事者からすると問題はないのですが、他人から「お!」と思われたり、人前で恥ずかしくない思いをしたいのであればアメックスグリーンの方がおすすめです。
また、海外(特にアメリカ圏)ではアメリカン・エキスプレス・カードの信頼度が高いため、アメックスグリーンを使うことで店員やホテル従業員の対応が良くなります。
例えば、こんなことがありました。
マンハッタンで観光と夕食を終え、夜10時にホテルに戻ると、入口で他の観光客8人とホテルのガードマンがいました。どうやら身分証明書を確認してから一人ずつ中に入れているようです。
「夜も遅いし防犯のためかな?」と納得し、私も最後尾に並んでいると、入口に人影が。どうやら私のチェックインを担当してくれたフロントマンだったようで「その人は大丈夫だから」と身分証明書の確認なしで先にホテル内に入れてもらえました。
そのホテルを利用したことは何度かありましたが、支払いはVISAのクレジットカードでしており、アメックスグリーンを使ったのは今回が初めて。「これがアメックスの力かな?」と感じた瞬間でした。
まとめ
今回の比較では、どちらも優れた項目が4つずつあるため引き分けとなりました。
ですので、どちらのクレジットカードを発行するかは『自分が何を重視するかを考えて選ぶ』ことがポイントとなります。
例えば、以下のように選ぶことができます。
- マイルの貯まりやすさ、海外サポートの質で選ぶなら ⇒ アメックスグリーン
- プライオリティ・パス、ポイントの貯まりやすさで選ぶなら ⇒ 楽天プレミアムカード
- 海外旅行は家族で行くことがほとんど ⇒ アメックスグリーン
- 海外出張や一人での海外旅行で使うことがメイン ⇒ 楽天プレミアムカード
クレジットカードに何を求めるかは個人によって違うかと思いますので、上画像の比較表を参考に自分の求めるものを多く含んだカードを選ぶと失敗も無くなるかと思います。
入会から3ヶ月以内に30万円以上のカード利用で合計10,000ポイントがもらえる!
【楽天プレミアムカード】
新規入会&利用で最大14,000ポイントがもらえる!
また、アメックスグリーンと他のクレジットカードを比較したい場合は、以下のページをあわせて参考にしてください。
*1:1 | 正確にはANAマイルへの交換の時に1,000ポイント=1,000マイルで交換でき、その他の航空会社マイルへは1,250ポイント=1,000マイルで交換できます。また、メンバーシップ・リワード・プラスへの加入も必須です。 |
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*1:2 | 無料ポーターサービスとは、駅改札やバス停からチェックインカウンターまたは到着ロビーから駅改札やバス停まで手荷物を専任スタッフに運んでもらえるサービスのこと。 |
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