アメリカン・エキスプレス・カード(通称:アメックスグリーン)は、アメリカン・エキスプレスのカードの中でも一般カードのクラスに位置するクレジットカード。
しかし、他社のクレジットカードのゴールドカードに匹敵するサービスを受けることができる特典が付帯されており、海外旅行・海外出張では心強い1枚になってくれます。
家族特約付きの旅行保険や同伴者1名まで無料の空港ラウンジ特典、期限なしのポイントなど、どれも魅力的なものばかり。サポートの対応も丁寧で、面倒な不正利用も電話一本で削除してもらえます。
しかし、実際に発行しようと思うと「年会費以上のメリットがあるか心配」という方も多いはず。
そこで今回はアメックスグリーンの海外旅行でのメリット・デメリットを踏まえながら、年会費以上の得を得られるのはどんな人なのか解説していきたいと思います。
アメックスグリーンの特徴
年会費 | 12,000円 | |
---|---|---|
国際ブランド | AMEX | |
旅行保険 | 海外/国内:最高5000万円(利用付帯) | |
ポイント | 100円=1P(メンバーシップ・リワードポイント) | |
マイル還元率 | ANA:0.5% |
- 抜群に信頼度の高いステータスカード
- 国内外のグルメ・エンタメを優待で楽しめる
- 緊急時も安心の万全な対応力
- 不正利用も電話一本でスムーズに削除
- 海外利用で余計な手数料がかからない
アメックスグリーンの魅力は『ステータス性(信頼度)の高さ』と『旅行に強い特典が充実している』と『支払いや不正利用での丁寧さ』の3つです。
ステータス性が高く、海外では丁寧に対応してもらえる
アメックスグリーンはクレジットカードの中でもステータスカードに位置し、カードを提示しただけでサービスが変わることも珍しくありません。
日本だと誰に対しても平等に高品質なサービスを受けられますが、海外では客によって態度を変わります。アメックスグリーンを持っていると海外では「お金持ち」と認識されるためチップ目的で対応が変わるのですが(笑)、それでも雑に扱われるよりかはマシですよね。
特にせっかくの旅行や記念の旅行ならなおさらです。
「大切な人との旅行で粗相のない気持ちの良い接客をしてもらいたい」それを簡単に実現してくれるのがアメックスグリーンです。
旅行に強い特典が充実している
アメックスのカードを発行する会社はもともと運送業者としてスタートしているため、旅行のように移動に関するサービスに強く、ホテルやレストラン、現地イベントが優待でお得に利用できたり、専用デスクに電話することで現地イベントの情報やおすすめのレストランを紹介してもらうことができます。
初めて行く国で「どのホテルがいいか分からない」という時も、電話1本でスタッフが手配してくれますので、大変な旅行準備の手間も省くことができます。
緊急時にも救急車の手配をしてくれたり、最寄りの病院を教えてもらうことができますので、より安心して海外旅行を楽しむことができますよ。
支払いや不正利用の対応が丁寧でスピーディー
アメックスグリーンはサポートが特に丁寧です。VISAやMasterCardでは不正利用の際に返金までに1ヶ月以上かかってしまうことも珍しくありませんが、アメックスグリーンなら電話一本ですぐに削除してもらえます。
また、海外現地で支払いで勝手に日本円で決済されないのも大きなメリット。海外現地での支払い時は「現地通貨or日本円」どちらかを選ぶことができますが、日本円を選んでしまうとお店側が決めた換算レートを追加されるため、手数料が2倍以上高くなってしまいます。
お店によっては勝手に日本円にしてしまうことがあるため、後でレシートを見た時に「え!」と気づくことも珍しくありません。
しかし、アメックスグリーンをはじめアメックスプロパーカードで支払うと何も言わなくても現地通貨での支払いとなるため、余計な手数料を省くことができます。
こういった見えない部分での丁寧さに魅力を感じてアメックスグリーンを保有し続けている方は非常に多いです。
アメックスグリーンを旅行で使うとこんな感じ
アメックスグリーンが使える地域
先進国なら使えるが、予備でVISAかMasterのカードを持っておきたい。
アメックスグリーンはステータスカードですが、使えない地域もあります。もともとアメックス自体が「ベンツも平然と一括で買える」というようなお金持ちが持っているようなカードであったため、使えるお店もある程度の水準以上のお店だけになっています。
一方、VISAやMasterは庶民でも簡単に持てるカードということで、普及率ではアメックスよりも上です。先進国でも少しマイナーな地域へ行くとアメックスが対応していないことがありますが、VISAやMasterならほぼ間違いなく使用することができます。
アメックスグリーンはワンランク上の海外旅行を実現してくれますが、実用性も考えてVISAかMasterブランドのクレジットカードを2枚ほど持っておくと安心です。
アメックスグリーンの旅行に強い特典
- 電話1本でトラベルサポート:H.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク
- 手荷物無料宅配サービス
- 海外旅行先でも日本語サポート:グローバル・ホットライン
- 溜めたポイントをマイルに変更:メンバーシップ・リワード・プラス
- 世界中の空港ラウンジが使える:プライオリティパスの無料発行特典
H.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク
H.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスクは、電話1本で海外・国内の航空券・ホテルの予約から、レンタカー・鉄道、パッケージツアーなどあらゆる手配をしてくれるサービスのこと。
アメックスグリーンはエクスペディアやH.I.S.という旅行サイトと提携しており、自分で優待価格でホテルや航空券を予約することができますが、「忙しくてホテルを探す時間がない」「現地に詳しくないから、どのホテルがいいか分からない」というときにH.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスクを利用することで担当者に予約の代行してもらうことができます。
手荷物無料宅配サービス
国際線を利用する場合はスーツケースなどの手荷物を自宅⇔空港間で会員価格で運んでもらうことができます。
・往路(自宅⇒空港)
スーツケース1個につき100円割引
・復路(空港⇒自宅)
カード会員さまおひとりにつきスーツケース1個まで無料
2個目以降1個につき200円割引
ただし、利用できるのは成田空港、羽田空港(国際線ターミナル)、中部国際空港、関西国際空港の4つですので注意しておきましょう。
AMEXのクレカの特典を使って、無料でスーツケースを自宅に送ってみた。非常に楽。
— あっきーたん (@surugame) 2019年3月18日
グローバル・ホットライン
グローバル・ホットラインは、海外でも24時間日本語でサポートしてもらえるサービスのこと。レストランの予約や最寄りの医療機関の紹介など、何でも教えてもらうことができ、海外旅行のときは非常に心強いです。
メンバーシップ・リワード・プラス – 100円⇒1Pでポイントも意外と貯まりやすい
アメックスではメンバーシップ・リワード・プラスというサービス(年会費3,000円)に加入することで、貯めたポイントの提携各社のマイル・ポイントへの移行や旅行関連の支払いをお得にすることができます。
マイル/ポイント | 未登録 | 登録後 |
---|---|---|
利用代金 | 1P=0.3円 | 1P=0.5~1.0円 |
ヨドバシカメラ | 3,000P⇒1,000円分商品券 | 2,000P⇒1,000円分商品券 |
高島屋 | ||
楽天ポイント | 3,000P⇒1,000P | 3,000P⇒1,500P |
Tポイント | ||
ANAマイル | – | 1,000P⇒1,000マイル |
その他の航空パートナー | 2,000P⇒1,000マイル | 1,250P⇒1,000マイル |
ヒルトンHオナーズ | 2,000P⇒1,250P | 1,000P⇒1,250P |
SPG | 2,000P⇒330P | 1,000P⇒330P |
アメリカン・エキスプレス・トラベル オンラインの利用代金 | 1P⇒0.4円 | 1P⇒1.0円 |
H.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク対象店舗での利用 | 1P⇒0.4円 | 1P⇒0.8円 |
日本旅行対象店舗での利用 | 1P⇒0.4円 | 1P⇒0.8円 |
特にANAマイルに関してはメンバーシップ・リワード・プラスに加入しておかなければ交換することができませんので、旅行好きならぜひ加入しておきたいですね。
その他の航空パートナーは以下の航空会社があります。
国 | 航空会社 |
---|---|
中国/台湾 | チャイナエアライン キャセイパシフィック航空 |
アメリカ | デルタ航空 |
イギリス | ヴァージン アトランティック航空 ブリティッシュ・エアウェイズ |
タイ | タイ国際航空 |
シンガポール | シンガポール航空 |
スウェーデン/デンマーク/ノルウェー | スカンジナビア航空 |
イタリア | アリタリア-イタリア航空 |
フィンランド | フィンエアー |
アラブ首長国連邦 | エティハド航空 エミレーツ航空 |
カタール | カタール航空 |
フランス/オランダ | エールフランス/KLM航空 |
アメックスグリーンでは100円利用ごとに1ポイント貯めることができ、メンバーシップ・リワード・プラスに加入することでポイント期限も無制限になるので焦らずじっくりとポイントを貯められるのも魅力です。
私もANAマイルに交換して九州の温泉に旅行へ行ったり、シンガポール航空のマイルに交換して海外旅行へ行ったりといい感じに恩恵を受けられています笑。光熱費や携帯料金の支払いにアメックスグリーンを使っていれば自然とポイントがたくさん貯まりますので、意外と簡単にお得になれますよ。
世界中の空港ラウンジを使えるプライオリティパスの年会費が無料に!
アメックスグリーンでは『国内外の空港ラウンジを無料で使える特典』と『世界中の空港ラウンジが使えるプライオリティパスの年会費が無料になる特典』の2つが付帯されています。
『国内外の空港ラウンジを無料で使える特典』は国内の28空港とハワイ ダニエル・K・イノウエ国際空港(旧・ホノルル国際空港)の空港ラウンジを使える特典。アメックスグリーン以外にも、だいたいのゴールドカードには付帯されているため、正直なところありがたいみは薄いです。利用者も多いため、GWやお盆などの大型連休時は混雑することもあります。
一方『プライオリティパスの年会費が無料になる特典』は他のカードにはない魅力。プライオリティパスにはランクがあり、
ランク | 年会費 | ラウンジ利用料 | 同伴者の利用料 |
---|---|---|---|
スタンダード会員 | 99ドル(約10,000円) | 32ドル | 32ドル |
スタンダードプラス会員 | 249ドル(約25,000円) | 32ドル(10回まで無料) | 32ドル |
プレステージ会員 | 399ドル(約40,000円) | 無料 | 32ドル |
となっているのですが、アメックスグリーンを発行すれば無条件でスタンダード会員のプライオリティパスを年会費無料で発行することができます。
空港ラウンジには「カード会社が提供するラウンジ」と「航空会社が提供するラウンジ」の2種類がありますが、プライオリティパスを持っていれば「航空会社が提供するラウンジ」も利用することができます。「航空会社が提供するラウンジ」は「カード会社が提供するラウンジ」と比べて豪華であり、利用者も限られた人だけなので、大型連休でものんびりとした空間を過ごすことができます。
アメックスグリーンの旅行保険の充実度
海外旅行保険について
担保内容 | 本会員 | 家族特約 | 家族カード会員 |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 5,000万円 | 1,000万円 | 5,000万円 |
傷害治療費用 | 100万円 | – | 100万円 |
疾病治療費用 | 100万円 | – | 100万円 |
賠償責任 | 3,000万円 | – | 3,000万円 |
救援者費用 | 200万円 | – | 200万円 |
携行品損害 | 100万円(※) | – | 100万円(※) |
※:3,000円は自己負担。1旅行中限度額30万円、補償期間中限度額100万円
【保険の対象者】
カード会員ご本人様はもちろん、配偶者や生計を共にする親族の方まで、傷害死亡・後遺障害保険金などの補償が適用されます。
※:「生計を共にする」とは、健康保険証を共有しているか税法上扶養関係にある場合をいいます。
※:親族とは6親等以内の血族、3親等以内の姻族の方をいいます。
【補償期間】
カードご加入日(カード発行日)の翌日以降に日本を出発される旅行が対象となります。1旅行につき最長90日間となります。
アメックスグリーンの海外旅行保険の内容は上記のとおり。充実度は、そこまでよくありません。一番利用頻度の高い傷害治療補償(ケガの治療を補償)と疾病治療補償(病気の治療を補償)の補償額が100万円ですし、付帯条件も利用付帯なので、他の一般的なクレジットカードとあまり変わりません。エポスカードなんかは年会費無料なのに傷害治療補償が200万円、疾病治療補償が270万円自動付帯ですからね。
ただ、アメックスグリーンが使えるような地域は医療費も高く、1日入院しただけで100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。クレジットカードの旅行保険だけで治療費を全てカバーするのは難しく、普通は補償額が無制限な保険会社の旅行保険へ加入しておくものです。
そう考えると、アメックスグリーンの海外旅行保険の補償額はあまりデメリットになるとは言えません。
国内旅行保険について
担保内容 | 本会員 | 家族特約 | 家族カード会員 |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 5,000万円 | 1,000万円 | 5,000万円 |
国内旅行保険もあまり充実していませんが、こちらも国民健康保険などに加入していれば特に使う機会がないので問題ないでしょう。
アメックスグリーンのキャンペーン情報
アメックスグリーンでは「入会後に合計13,000ポイント獲得できるキャンペーン」が行われています。
カードご入会後3ヶ月以内のカードご利用で合計13,000ポイント獲得可能
アメックスグリーンでは「メンバーシップ・リワード」のポイントを貯めることができます。通常は100円=1ポイントで貯めることができますが、入会時のキャンペーンを利用すれば最大13,000ポイントも貰うことができます。
貯めたポイントはANAマイルやスカイマイルなど全15航空会社のマイルと交換できたり、旅行費用やTポイントに交換することができます。単純にANAマイルへの交換だけを考えても13,000マイルゲットできる計算になり、海外なら韓国や中国の片道航空券、国内なら東京⇔大阪の往復航空券と同等の価値があります。
出発 | 到着 | 必要マイル数(片道) |
---|---|---|
東京 | 秋田、庄内、仙台、新潟、大島、八丈島、富山、小松、能登、名古屋、大阪 | L 5,000 R 6,000 H 7,500 |
大阪 | 萩・石見、松山、高知、福岡、大分、熊本、宮崎 | |
名古屋 | 新潟、松山 | |
札幌 | 利尻、稚内、女満別、根室中標津、オホーツク紋別、釧路、函館、青森、秋田 | |
仙台 | 小松 | |
福岡 | 対馬、五島福江、宮崎 | |
長崎 | 壱岐、五島福江、対馬 | |
沖縄 | 宮古、石垣 | |
宮古 | 石垣 | |
上記・下記以外の往復同区間旅程 | L 6,000 R 7,500 H 9,000 | |
東京 | 沖縄 | L 7,000 R 9,000 H 10,500 |
大阪 | 石垣、宮古 | |
静岡 | 沖縄 | |
名古屋 | 沖縄、宮古 | |
札幌 | 福岡 | |
東京 | 石垣、宮古 | L 8,500 R 10,000 H 11,500 |
名古屋 | 石垣 | |
札幌 | 沖縄 | |
沖縄 | 仙台、新潟 |
※:L=ローシーズン(1/8~2/28、4/1~4/26、12/1~12/21)、R=レギュラーシーズン(3/1~3/15、5/7~8/9、8/21~11/30)、H=ハイシーズン(1/1~1/7、3/16~3/31、4/27~5/6、8/10~8/20、12/22~12/31)
アメックスグリーンのスペック
カード名 | アメリカン・エキスプレス・カード | |
---|---|---|
カードデザイン | ||
申込資格 | 年齢20歳以上 | |
年会費 | 12000円 | |
家族カード | 6000円/1枚 | |
ETCカード | 年会費無料(新規発行手数料は1枚につき850円+税) | |
発行期間 | 1週間~2週間 | |
国際ブランド | AMEX | |
マイル | ANAマイル | メンバーシップ・リワードの場合(年会費:無料) 2000ポイント⁼1000マイル(2000ポイント単位) メンバーシップ・リワード・プラスの場合(年会費:年会費:3240円) |
その他提携航空会社 | メンバーシップ・リワードの場合(年会費:無料) 2000ポイント⁼1000マイル(2000ポイント単位) メンバーシップ・リワード・プラスの場合(年会費:年会費:3240円) | |
海外旅行保険 | 傷害死亡・後遺障害 | 5000万円 |
傷害治療補償 | 100万円 | |
疾病治療補償 | 100万円 | |
救援者費用 | 200万円 | |
賠償責任 | 3000万円 | |
携行品損害 | 100万円 | |
国内旅行保険 | 傷害死亡・後遺障害 | 5000万円 |
電子マネー | 楽天Edy、SMART ICOCA、モバイルSuica | |
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