アメリカでは、ちょっとした買い物でもクレジットカードを使うのが一般的。「コーヒー一杯を買う時でもカードで払う」という人も珍しくありません。
多額の現金は強盗に襲われるリスクを高めるため、お店側も現金支払いよりもデータで管理できるクレジットカード決済を好みます。
また、『クレジット』という言葉通り『信用のある人物か?』という判断材料にもなります。
VISAやMasterCardであればゴールドカード以上、アメックスまたはDinersClubのいずれかのクレジットカードを持っていなければ、一定水準以上のホテル・レストランを利用することはできません。
ホテルやレンタカーではクレジットカードの提出が必須ですし、持っていなければ高額なデポジット(保証金)を請求されます。
では、どんなクレジットカードを持っていけばいいのでしょうか?
今回はアメリカ旅行で使えることはもちろん、持っておくとちょっとお得になる特典を付帯したおすすめのクレジットカードをご紹介していきたいと思います。
アメリカ旅行に最適なクレジットカードの選び方
ポイント1.使うお店を想定して国際ブランドを選択する(2枚持ちが最適)
まずは「現地のお店で決済できるか?」を考える必要があります。
アメリカは日本よりも階級社会であり、お店によって使える国際ブランドが変わってきます。
- VISAとMasterCard:大衆向けのお店と一部の富裕層向けのお店で使える
- America ExpressとDinersClub:富裕層向けのお店を中心に使える
- JCB:日本人観光客の多い地域・お店で使えるが、全体的にはかなり使いづらい
一般的にはVISAとMasterCardが「海外旅行で強い」「世界中どこでも使える」と言われており、アメリカでも問題なく使えます。
ただ、厳密に言うと『VISAとMasterCardは大衆向けの国際ブランドだから、多くのお店に対応している=世界中どこでも使える』となっているだけであるため、富裕層向けのお店やホテルを利用すると「VISAは使えません」と断られることもあります。
可能性としてはかなり低いですが、利便性を重視するのであればVISAかMasterCardとAMEXかDinersClubの2枚持ちが最強です。
最初の方で少し説明したましたが、いわゆる高級ホテルや高級レストランなどを利用する場合はVISAかMasterCardならゴールドカード以上、またはAMEXかDinersClubが必須ですので、旅行中に利用する予定であれば必ず発行しておきましょう。
ポイント2.キャッシング枠があるカードを選ぶ
アメリカではホテルでチップを手渡したり、お店で少額決済をする際に現金が必要になります。
クレジットカードのキャッシング機能を使えばATMから簡単に必要な分だけ現金を引き出せるため、必須の機能だと言えます。
通常、どのクレジットカードもキャッシング機能が付いていますが、アメックスのプロパーカードには付いていません。
ですので、必ず1枚はVISAかMasterCardのクレジットカードを準備しておきましょう。
ポイント3.クレジットカードの海外旅行保険は気にしない
クレジットカードには海外旅行保険が付帯されています。
上手に使いこなせば掛け捨ての海外旅行保険へ加入する必要はなくなり、保険料の節約にもつながるため、私自身も「海外旅行に行くなら海外旅行保険の補償額が高いクレジットカードを持っていこう」といったアドバイスは友人にします。
しかし、アメリカ旅行の場合は違います。
なぜなら、アメリカは世界的に見ても医療費の高く、クレジットカード付帯の海外旅行保険だけでは全額をカバーすることが難しいからです。
外務省が調査した世界の医療事情でも、アメリカの医療費について以下のように解説されています。
米国の医療費は非常に高額です。その中でも,ニューヨーク市マンハッタン区の医療費は同区外の2倍から3倍ともいわれており,専門医の診察費が1,000ドルを超えることがあります。入院した場合は室料だけで1日あたり数千ドル,入院費が1日あたり1万から2万ドルに及ぶこともあります。治療費は,診察料,施設利用料,血液検査代,画像検査代,薬品代などとそれぞれ別個に請求されるので注意する必要があります。
高額な医療費に対しては,渡航後に当地の医療保険に加入するか,渡航前に十分な補償額の海外旅行傷害保険に加入して備えておく必要があります。病気や怪我など1回の入院で数百万円から1千万円になることを覚悟してください。
クレジットカード付帯の海外旅行保険はゴールドカードであっても200万円~300万円の補償ですので、たった1回の病気・ケガすら払いきれないケースも多いです。
正直全く足りません。
一方、掛け捨ての海外旅行保険であれば無制限で補償してもらえますので、アメリカで発生した医療費も十分まかなうことができます。
クレジットカードの海外旅行保険と違い保険会社の旅行保険は無制限補償となっている場合が多いので、安心度が全然ちがいます。
保証金額を比較すると以下の通り。
クレジットカード | 保険会社 | |
---|---|---|
傷害・疾病治療補償 | 100万円~300万円 | 無制限 |
救援者費用保障 | 100万円~300万円 | 無制限 |
傷害・疾病治療補償はケガや病気の治療費を補償し、救援者費用保障は捜索救助費用や自分の家族・知人が現地へ行くための費用が補償されます。万が一死亡した際の現地からの移送費用や遺体処理費用も救援者費用保障に含まれます。
保険料は発生しますが、せっかくのアメリカ旅行なのに破産するような借金を負ってしまっては意味がありません。普段はケガや病気とは無縁な人も必ず加入しておきましょう。
保険会社が提供する海外旅行保険の加入方法は以下の3つ。
- 保険会社の公式サイトからネット契約で申し込む
- 旅行代理店でパッケージツアー購入時に申し込む
- 国際空港の専用機械または専用窓口で申し込む
どれも簡単に加入することができ保険料も変わりませんので、タイミングが合った時に加入しておきましょう。
アメリカ旅行におすすめのクレジットカード3枚
上記の選び方をもとに、アメリカ旅行に強いおすすめのクレジットカードを3枚ほどご紹介します。
三井住友カード A
年会費 | 1,500円(税抜) 初年度年会費無料 | |
---|---|---|
国際ブランド | VISA/MasterCard | |
旅行保険 | 海外/国内:最高2500万円(自動付帯) | |
ポイント | 1000円⇒1P(ワールドプレゼントポイント) | |
マイル還元率 | ANA:0.3% |
- 海外旅行に特化した三井住友VISAカード
- 年会費が安く、海外・国内旅行保険がしっかりと付帯されている
- クレヒスを育てることでゴールドカードにグレードアップできる
まず1枚目におすすめなのが三井住友カード A。
おすすめの理由は『VISAとMasterCard好きな方を選べる』『トラブル時の対応が丁寧』の2つ。
三井住友カード Aの国際ブランドはVISAとMasterCardの中から好きな方を選ぶことができます。どちらもアメリカで使いやすい国際ブランドであるため、メインカードとして問題なく使用可能。
世界シェアはVISAの方が大きいため、特に理由がなければVISAがおすすめ。
また、支払いとして使えるだけではなく、紛失や盗難、スキミングによる不正利用の際にサポートが丁寧に対応してもらえるのも大きな魅力。
私も以前、帰国後の明細で身に覚えのない利用があり、サポートに問い合わせたところ「すぐにお調べいたしますね」と海外ホテルまで問い合わせてもらい、スムーズに解決したことがあります。
このあたりは「さすが国内メガバンクの三井住友銀行のカードだなぁ」と思いました。
キャッシング枠に関しても10万円~50万円まで設定できますので、どのような使い方でもオールマイティに対応してくれます。
ポイントの貯まりやすさや目立った旅行特典はありませんが、クレジットカード本来の役割である『支払い』面に関してこれほど安定したカードはありません。
今回のアメリカ旅行を機に、初めてクレジットカードを作る人には一番おすすめです。
学生の場合は機能が全く同じで年会費が安い「学生カード」も用意されていますので、そちらを発行するといいでしょう。
アメリカン・エキスプレス・カード(通称:アメックスグリーン)
年会費 | 12,000円 | |
---|---|---|
国際ブランド | AMEX | |
旅行保険 | 海外/国内:最高5000万円(利用付帯) | |
入院・通院 | 100万円 | |
マイル還元率 | ANA:0.5% |
- 抜群に信頼度の高いステータスカード
- 国内外のグルメ・エンタメを優待で楽しめる
- 緊急時も安心の万全な対応力
アメリカに本社を置くアメリカン・エキスプレスは支払いとしても使いやすいため、空港ラウンジや手荷物無料宅配サービスなどの旅行特典をフルに使いたい人や、高級店を利用する予定の人はアメックスのカードがおすすめ。
アメックスカードの中で一番申込みやすいのはアメリカン・エキスプレス・カード(以下、アメックスグリーン)です。
ノーマルカードに位置するカードですが、サービス内容は他のゴールドカードに匹敵します。
得られる恩恵は『覚えのない不正利用を電話一本で取り消してもらえる』『基本的に現地通貨で決済できるから余計な換算レートが追加されない』『アメックス特有の旅行特典』などがあります。
海外旅行ではどれだけ気を付けてても不正利用されてしまうことがありますので、電話一本でサッと取り消してもらえるのはかなりありがたいです。
対応も早く、VISAやMasterCardでは確認のために返金まで3ヶ月以上かかるところ、アメックスグリーンなら1ヶ月で処理してもらえます。
また、『何も言わなくても現地通貨で決済されるので、余計な手数料が上乗せされない』特徴もアメックスならではの魅力。
海外では支払いの際に現地通貨か日本円決済を選ぶことができ、日本円決済を選ぶと店舗側が自由に手数料を上乗せできるため、2倍以上のレートになることもしばしば。
現地通貨決済を選べば回避できますが、お店によっては勝手に日本円決済にしてしまうこともあります。
しかし、アメックスで支払うと勝手に日本円決済されることはなく、現地通貨での決済をしてもらえます。
VISAやMasterCardの方が支払いとしては楽なのですが、こういった見えないメリットがアメックスにはあるため、海外旅行好きの人はアメックスを利用している人が多いです。
学生専用ライフカード
年会費 | 無料 | |
---|---|---|
国際ブランド | VISA/MasterCard/JCB | |
旅行保険 | 海外:最高2000万円(自動付帯) | |
ポイント | 1000円⇒1P(LIFEサンクスポイント) | |
マイル還元率 | ANA:0.25% |
- 海外でのカード利用は3%キャッシュバック
- 年会費無料で持ちやすい
- 日本語での海外アシスタントサービス
大学生や専門学生なら学生専用ライフカードもおすすめ。
アメリカ旅行中に決済したカード利用額の3%がキャッシュバックされるので、お得に旅行を楽しむことができます。キャッシュバックは登録した銀行口座に入金されます。
クレジットカードはポイントを貯めることができますが、一般的なポイント還元率は0.5%~1%ほど。3%のキャッシュバックの方が3倍~6倍お得だと言えます。
キャッシュバック特典は在学中のみしか使えませんが(卒業すると通常のライフカードに更新される)、「今回だけお得に使えればいいや!」と割り切って使うのであれば、これ以上お得なクレジットカードありません。
国際ブランドもVISAとMasterCardから好きな方を選べますし、キャッシング枠も10万円までですが用意してもらえます。
三井住友カード A | |
アメリカン・エキスプレス・カード | |
学生専用ライフカード |
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