海外旅行でのクレジットカードの使い方は、それほど難しいものではありません。
このページでは、具体的な使い方に加え、日本と違う部分や注意点なども解説していますので、普段からカード決済を行っている人はもちろん、今回の旅行で初めてカードを使う人も安心してご利用ください。
海外旅行でのクレジットカードの使い方は日本と同じ
海外だからと言ってカード決済の手順が変わることはありません。日本と同じく、以下の手順で決済できます。
【カード決済の手順】
- 店員やスタッフにクレジットカードを渡す
- 暗証番号の入力またはサインの記入を行う
- 支払い完了
買い物や飲食店、ホテルなどお店のタイプによって微妙に違いはあります(例えば「飲食店ならお会計のためにスタッフを呼ぶ必要がある」など)が、基本的にはたった3つの手順だけで支払いが完了します。
例えば、レストランのお会計であれば、以下の動画のような流れになります。
もう少し詳しく見ていきましょう。
手順1.店員やスタッフにクレジットカードを渡す
当然ですが、クレジットカードを渡さなければ支払いはスタートしません。
自分でレジへ行くタイプのお店(免税店やコンビニなど)であれば、商品を渡した後に「支払いは?」と聞かれる(現地の言葉で)ので、そのタイミングでクレジットカードを渡しましょう。
「英語に自信がない…」といったように現地の言葉を話せない場合も、カードを渡すだけで理解してもらえることの方が多い(特に観光地では)ため、安心してご利用ください。
レストランやバーなど店員・スタッフを呼ぶタイプのお店であれば、まず「Check please. (お会計お願いします。)」と伝えます。
すると、伝票を持ってきますので、支払い金額やチップの金額、サインなどを記入してクレジットカードと一緒に渡します。
ワンポイントアドバイス:海外は1回払いのみ
日本ではカード決済の際に「何回払いにしますか?」と聞かれますが、分割払いは日本特有の文化であり、海外では原則1回払いとなります。
支払いの際に「何回払いですか?」と聞かれることはありませんので、カード決済初心者にとっては少しだけラクだと言えます。
クレジットカードによっては、帰国後にカード会社のマイページから分割払いに変更できる『後から分割』をサービスとして用意していることもありますので、「一括で支払うのはキツイかも…」という場合は利用してみましょう。
手順2.暗証番号の入力またはサインの記入
店員がカードをレジに通したら、暗証番号の入力またはサインの記入を求められます。
暗証番号を入力する場合
暗証番号とは、クレジットカードを発行した時に設定した4桁の番号のことです。専用の機械を手渡されますので、番号の入力して決定ボタンを押せば支払い完了となります。
「暗証番号を覚えていない…」という場合は、カード会社に問い合わせることで確認できます。
例えば、楽天カードであれば『カードの4桁の暗証番号を忘れてしまったのですが、どうすればいいですか?』といったQ&Aページが用意されており、ページ内にある暗証番号照会ボタンを押すことで手続きを始められます。
クレジットカードによってはWeb上の照会を行っておらず、郵送でしか対応していない場合もありますので、なるべく早めに確認手続きを行いましょう。
サインを記入する場合
最近は暗証番号の入力が主流となっていますが、まだまだサインを求めらることもあります。
サインの記入は渡された専用の紙に行います。
サインの鉄則は「クレジットカードの裏面と同じサインを書く」ということ。例えば「山田太郎」と書いていれば店頭でのサインも「山田太郎」になりますし、「Yamada Tarou」であれば店頭サインも「Yamada Tarou」となります。
クレジットカード裏面に記入するサインに制限はないため、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字、何でもOKです。
不正利用への対策まで考慮するのであれば、外国人がマネしにくい漢字での記入がおすすめです。
手順3.支払い完了
暗証番号の記入またはサインの入力が終われば支払い完了です。レシートとクレジットカードが返されますので、受け取りましょう。
戻ってきたレシートはすぐに捨てず、支払い金額が正しいかを確認します。
海外では決済時の間違いがあるため、確認するクセを付けておくことで余計な支払いをなくすことができます。
決済方法は現地通貨決済が鉄則
海外でカード払いをすると『現地通貨決済』と『日本円決済』の2つから決済方法を選択することができます。
簡単に説明すると「現地の通貨で決済しますか?それとも日本円で決済しますか?」ということですが、特に理由がなければ現地通貨決済を選択しましょう。
なぜなら、日本円決済は手数料が高くなって損をするからです。
なぜ現地通貨決済の方がお得?
現地通貨決済(「現地通貨建て」と呼ぶことも)は、決済データが国際ブランドの決済センターに送られ、その後カード会社の手数料が上乗せされて正式な請求額が決定します。
私たちが支払ったタイミングと請求額が決定するタイミングがズレるため、その期間に大幅な為替変動が起きると支払ったタイミングよりも高い金額を請求されることがあります。
一方、日本円決済(「日本円建て」と呼ぶことも)は、支払ったタイミングで瞬時に正式な請求額が決定します。
現地通貨決済とは違ってズレが極限まで少なくなるため、為替変動の影響を受ける可能性も低いです。
これだけを知ると「日本円決済の方がいいじゃん!」と思いますが、日本円決済には大きな欠点があります。
その欠点とは、日本円決済は店舗側が自由に手数料を上乗せできる制度があることです。
日本円を指定した場合、その場で支払金額を確認できるメリットがありますが、お店が決定した為替レートで日本円に換算されることから、弊社で日本円に換算する場合に比べて、割高になる可能性がありますのでご注意ください。
引用元:現地通貨で支払いをするか、日本円で支払いをするか確認されました。どのような点に注意したらいいですか? | 三井住友カード
三井住友カードのページでは、日本円決済について上記のように解説しています。「お店が決定した為替レート」とは、正式な為替レートではないことを意味します。
しかも、上乗せされた手数料は5%や7%などボッタクリに近い金額が設定されることもあり、大事な旅費を大幅に減らしてしまうリスクもあります。
現地通貨決済の為替変動リスクは起きる可能性が極めて少ないのに対し、日本絵決済の手数料上乗せはほぼ確実に起こります。
よって、海外旅行では『現地通貨決済』を選択することが推奨されています。
チップはクレジットカードで払う?
アメリカやカナダ、エジプトなどチップがいる国へ行く場合は、いろいろな場面でチップを支払うことになります。
チップは現金で払うイメージがありますが、実際にはクレジットカードで支払える場面もあります。
利用場所 | 現金 | クレジットカード |
---|---|---|
レストラン | ○ | ○ |
ホテル | ○ | ○ |
タクシー | ○ | ○ |
トイレ | ○ | × |
バー/クラブ | ○ | ○ |
観光バス | ○ | × |
エステサロン | ○ | × |
ヨーロッパに多い有料トイレやオプショナルツアーで利用する観光バス、海外現地のエステサロンを除き、どこでもクレジットカードでチップを支払うことができます。
支払い方法も『渡されたレシートのチップ記入欄に渡したいチップ額を記入するだけ』と非常に簡単。
具体的なチップの渡し方やチップ額の記入方法は以下の動画が参考になります。
カード決済と海外キャッシングはどっちがいい?
クレジットカードの機能はカード決済だけではありません。現地ATMから現地通貨を現金で引き出せるキャッシング機能もあります。
海外で行うキャッシング(以下、海外キャッシング)を使えば現金をこまめに準備することができ、実質カード決済が不要になるため「どっちを使えばいいの?」と迷ってしまうかと思います。
結論から言うと『メインはカード決済で、海外キャッシングは少額の現金を用意するときだけ使う』方法がベストです。
現金を大量に持っておくのは防犯面でのリスクが高く、かといって、こまめに引き出すのもATMを探す手間を考えると、せっかくの旅行の時間がムダになってしまうためおすすめできません。
また、海外キャッシングの手数料は借りる金額が大きくなるほど増える仕組みですので、旅行中の費用を全てキャッシングで準備してしまうとトータルの返済額も大きくなってしまいます。
日本円から現地通貨に両替するより、海外キャッシングで現金を直接引き出した方が手数料がお得であるため、海外キャッシングを使うこと自体は賢い節約方法ですが、使う頻度もしっかりと考えておきましょう。
まとめ
海外旅行でのクレジットカードの使い方は日本国内で使うときとほとんど同じであるため、旅行前にコンビニや飲食店で練習してみるのもおすすめです。
何度かカード決済を行えば、行為自体に慣れてしまうため、仮に海外で少し違った支払い方法を要求されても柔軟に対応することができますよ。
また、先ほども少し解説しましたが、事前に暗証番号を確認したり、カード裏面にサインを記入しておく必要がありますので、旅行前の準備も怠らないようにしておきましょう。
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