海外旅行・出張の際はクレジットカードでのキャッシングが便利なのですが、使ったことがない人の中にはキャッシングの方法を知らないから少し不安だという方もいるでしょう。
そこで当ページでは海外ATMでキャッシングをする方法と覚えておきたい基礎知識をご紹介したいと思います。
【海外キャッシングでお得なクレジットカードをお持ちですか?】
海外ATMでのクレジットカードキャッシングの流れ
海外でもキャッシングはATMで行うことができ、街のいたるところにあります。キャッシング可能なATMにはVISAやMasterCardなどのカードの名前かPLUS(プラス)、Cirrus(シーラス)というロゴが表示されています。
国際ブランド | 対応ATMに書かれているマーク | |
---|---|---|
VISA | VISA | Plus(プラス) |
MasterCard | MasterCard | Cirrus(シーラス) |
JCB | JCB | Cirrus(シーラス) |
AMEX | AMEX | |
Diners Club | Diners Club | Pulse(パルス) |
空港はもちろん、ホテルやデパートの店内や駅などにもATMはあるので、暗証番号さえ覚えていれば気軽に外貨をおろすことができます。
1.カードを挿入
ATMにカードを挿入します。カードの挿入方法は全部で5種類あります。
【海外ATMへのクレジットカード挿入方法】
- 日本国内のATMと同様に、カードの表面を上向きにして入れる
- カードの裏面を上に向け、磁気テープを左側にして入れる
- カードの表面を上に向け、挿入口に水平に入れてすぐ抜き取る
- カード表面を自分に向け、挿入口に上から入れてすぐに抜き取る
- カードの裏面の磁気テープをカードリーダーで上下にスライドさせる
私の経験だとほとんどが「1.」のやり方な気がします。国内でお金をおろす時と同じ使い方ですので、簡単に海外キャッシングできますよ。
2.画面を操作して、使用言語を選択
日本語が使えるATMなら日本語を、使えないなら英語を選ぶのが良いでしょう。
また日本語を選択した場合、次の画面で「DOMESTIC(国内)」と「FOREIGN(外国)」のどちらかを選択します。「DOMESTIC」はその国で発行されたカード、「FOREIGN」はその国以外で発行されたカードを使用する場合に選択します。
日本で発行したクレジットカードを使う場合は「FOREIGN」を選択しましょう。
3.現地通貨を引き出す
暗証番号を入力し、取引の種類を選択し、カードの種類や口座を選んで金額を指定すれば現金を引き出せます。日本語で操作する場合は特に問題ないと思いますが、英語の場合は以下の専門用語をあらかじめ覚えておきましょう。
用語解説 | |
---|---|
暗証番号入力 | ENTER PIN → 暗証番号入力 |
取引内容の選択 | SELECT TRANS ACTION → 取引内容を選択 TRANSACTION → 取引 WITHDRAWAL → 引き出す TRANSFER → 振り込み BALANCE → 残高照会 |
口座選択 | SELECT SOURCE ACCOUNT → 口座選択 CREDIT → クレジットカード SAVINGS → 預金 CHECKING → 当座預金 |
金額選択 | SELECT DISPENSE AMOUNT → 引き出し金額を選択 OTHER → その他(OTHERは自分で金額を入力したい場合に選択する) |
4.現金を引き出し終わったら
最終画面で「取引を続けますか?」と表示されるので「NO」を選択することで完全に終わることができます。
覚えておきたい海外キャッシングの基礎知識
海外キャッシングはいくらから借りられる?
海外キャッシングで借りられる金額は利用するATMや国によって違います。
例えば、アメリカやハワイなら「1米ドル」から借りられますし、ヨーロッパなら「1ユーロ」、韓国なら「1ウォン」から選択が可能です。
また、ATMによっては自分で借りる金額を入力することができず、「10」「40」「100」といった選択肢から選ぶ場合もあります。同じ「10」を選んでも、10米ドルなら1,000円ですし、10ウォンなら1円です。
注意しておくべきことは「基本的にはお札しか出てこない(小銭はキャッシングできない)」ということ。小銭をわざわざ用意する機会の方が少ないかと思いますが、一応覚えておきましょう。
海外キャッシングの一日限度額は?
海外キャッシングの一日の限度額も利用するATMや国、クレジットカードによって違います。
例えば、1回で引き出せる金額がアメリカやハワイでは「500ドル(5万円)まで」と決まっているATMが多いですし、韓国なら「100万ウォン(10万円)まで」となっているATMが多いです。
また、自分のクレジットカードのキャッシング枠が30万円や50万円まであっても、クレジットカード会社が1日のキャッシング額を制限している場合もあります。エポスカードを例に確認してみると
海外では、国・地域や金融機関等によって、1回および1日に引き出せる上限額が決められている場合があります。この場合、お客様のカードのご利用可能額にかかわらず、一定額以上の引き出しができません。
と記載されており、キャッシング枠にかかわらず引き出せる限度額が決まっていることが記載されています。
実際にどれぐらい引き出せるかは公表されていません。もし、海外キャッシングを行ってどのATMからも現金を引き出せなくなった場合は、自分のカード会社のサポートセンターに問い合わせてみましょう。
借りたお金はどうやって返せばいいの?
【海外キャッシングの返済方法】
- 引き落とし日に返済
- 繰り上げ返済
海外キャッシングで借りたお金はショッピング枠と同じタイミングでまとめて引き落としされます。
カード払いで3万円、海外キャッシングで2万円使った場合、翌月の引き落とし日に5万円分まとめて引き落としされます。
また、繰り上げ返済で引き落とし日よりも前に銀行振込で返済することもできます。特に海外キャッシングでは返済日までの期間が長いほど利息が増えていきますので、なるべく繰り上げ返済で早めに完済しておくことをおすすめします。
海外キャッシングの4つの注意点
【使う前に確認】海外キャッシングの注意点4つでも詳しく解説していますが、ここでも解説しておきたいと思います。
注意点1.キャッシング枠が用意されていることを確認しておく
クレジットカードには「ショッピング枠」と「キャッシング枠」の2つが用意されており、この2つの枠を合わせて「カード利用枠」と呼びます。
通常のクレジットカードは「ショッピング枠」しか用意されておらず、申し込みの際または後からキャッシング枠を申請しなければ、キャッシング枠は0円となっています。
海外旅行を機にキャッシングを検討し始める方の中には「キャッシング枠」の存在を知らずに、枠が0円のまま旅行へ行ってしまう人もいますので、必ず事前にキャッシング枠が用意されているか確認してください。キャッシング枠はカードのマイページから確認できます。
ちなみに、キャッシング枠はショッピング枠の一部ですので、ショッピング枠40万円・キャッシング枠10万円の場合はカード払いで40万円分使ってしまうとキャッシングできなくなります。注意しておきましょう。
注意点2.PINコード(暗証番号)を事前に確認しておく
キャッシングには4桁の暗証番号が必要になります。ATMにカードを入れると「PINコード(暗証番号のこと)を入力してください」と表示されますので、事前に確認しておきましょう。
暗証番号の確認方法はクレジットカードによって違いますので、こちらもマイページから確認してみてください。
また、暗証番号は4桁ですが、海外のATMでは5桁や6桁の暗証番号を要求されることもあります。そのまま4桁の暗証番号で認証される場合もあれば「00****」と「00」を頭につける場合もあります。
こちらの対応もクレジットカードによって違いますので、マイページで確認したり、カード会社に問い合わせて正しい認証方法を確認しておきましょう。
注意点3.海外キャッシング後はすぐにATMからクレジットカードを抜き取る
海外のATMではセキュリティの問題上、一定時間経過したクレジットカードを飲み込んでしまいます。先に現金を受け取って財布にしまっていると、いつの間にかクレジットカードが取り出せなくなることもありますので、必ずクレジットカードと現金を先に取り出し、そのあと財布に入れるようにしましょう。
注意点4.利息を増やさないために、なるべく早め完済する
キャッシングの利息は完済日までの期間が長いほど多くなります。「借りたお金はどうやって返せばいいの?」でも解説しましたが、帰国後にすぐ一括返済したりネット上で返済するなど、繰り上げ返済を心がけましょう。
クレジットカードのキャッシングの方が現金の両替よりも手数料がお得
日本円を現地通貨に両替すると3%~10%の手数料が上乗せされます。韓国や香港などのアジアの国々はまだ手数料が少ないですが、ヨーロッパやアメリカでは10%以上の手数料上乗せも珍しくありませんので、「現地通貨を一番お得に手に入れるならクレジットカードのキャッシング」というのが海外旅行好きの裏技となっています。
クレジットカードのキャッシングの手数料は利息含めても1.6%~2%程度しか上乗せされません。
ATM手数料が1回100円~200円かかりますが、セディナカードやJCBプロパーカードのように無料なカードもあります(詳しくは海外キャッシングにおすすめのクレジットカード3枚を参照)。
国際キャッシュカードよりもクレジットカードのキャッシングの方が手数料がお得
学生であれば国際キャッシュカードを持って海外旅行や留学に行く人もいるかと思います。
クレジットカードと違って国際キャッシュカードは誰でも発行できますし、口座に入れておいた分のお金しか使えないため、使いすぎる心配がないメリットがあります。
しかし、一方でATM手数料が100円~200円発生したり、カード払いで使うと手数料が追加で3%~4%上乗せされてしまうデメリットもあります。
年齢が18歳以上であればクレジットカードを発行することができますので、高校生以外はクレジットカードのキャッシングを利用することをおすすめします。
まとめ
クレジットカードのキャッシングは現金両替よりも手数料が安いので海外では積極に使っていきましょう。
ATMは空港に設置されていることが多いので、まず空港でお金を引き出しておくと便利です。
また、夜間の利用や混雑している路面ATMの利用はなるべく避け、空港や金融機関に設置されているATMを使うのがおすすめです。
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