このページでは最新の韓国クレジットカード事情をもとに、
- どの種類のクレジットカードが使えるのか?
- どういった場所ならカード払いできるのか?
- クレジットカードを使うときの手数料やレートはどれぐらいなのか?
- 具体的なカード払いの方法やサインの仕方
など、韓国旅行のクレジットカードに関する情報を徹底的に解説しています。
渡韓経験のない人やクレカ初心者を対象にしていますので、何度も韓国へ行っている人やクレカ上級者の人は「そんなこと知ってるよ」と少し物足りないかもしれません。
しかし、それほど基本的で絶対に知っておくべき内容です。
この記事を読めば韓国旅行中にクレジットカードで困ることがなくなり、手数料で損することもなくなりますので、ぜひじっくりとご覧ください。
少し長い記事となっていますので、目次を上手にご活用ください。
また、韓国旅行で使えるクレジットカードをお探しの方は韓国旅行におすすめのクレジットカードと選び方をご覧ください。
韓国のクレジットカード事情【2019年版】
韓国のドラマやアイドルが好きな人でも、「お金事情についてはあまり知らない」という方も多いかもしれませんね。
韓国は日本よりもカード払いが一般的になっており、お財布はカードを数枚入れられる薄いタイプしか持っていない人ばかりです。
韓国人Youtuberの方も「韓国ではカード使いが一般的です」と紹介しています。(1:48あたり)
もちろん小銭を全く使わないのかと言えばそうではありませんし、実際に屋台では現金があったほうが便利です。韓国の法律上では「どんなお店もカード払いを拒否してはいけない」と決まっていますが、実際には「現金で払ってください」と断られるシーンの方が多くなります。
なぜ韓国でここまでクレジットカードが普及しているのかというと、もともとは韓国政府が脱税対策として導入したのがきっかけです。現金だと売り上げを隠して税金から逃れるお店が多かったのですが、カード払いにすれば全てデータ上に記録を残せるため、クレジットカードの普及を政府の方針としてガンガン進めていきました。
当然、脱税をしていたお店から大きな反発がありましたが、韓国政府は全て無視して「カード決済システムの導入」を義務付けました。
また、消費者にも「カード払いの数%をキャッシュバックとして返金する」「カード払いのレシートを対象に無料で宝くじをもらえる」などメリットの大きい政策を打ち出すことで、韓国は世界有数のカード大国となったわけです。
国の調査(キャッシュレス・ビジョン – 2018年4月)によると、日本のキャッシュレス普及率18.4%に対し、韓国は89.1%ですからね。
韓国では「日本で現金払いをしてる人が、みんなカード払いをしている」とイメージすると分かりやすいかもしれませんね。
電車やコンビニでさえもカード決済ができますので、クレジットカードを持っている場合はカード払いメインで間違いありません。
韓国で使えるクレジットカードの種類はVISA、MasterCard、JCBの3つ
現在、国内のクレジットカードは数百種類あり、VISAやMasterCardといった『国際ブランド』別に分類することができます。国際ブランドが変わると使えるお店や得られる特典の内容が変わります。
国際ブランド | 支払い | 特典 |
---|---|---|
VISA | ホテルから露店まで幅広く使える | 特になし |
MasterCard | ホテルから露店まで幅広く使える | 特になし |
JCB | 日本人観光客の多い店なら使える | ・お店で優待割引を使える ・スマホで見られる現地スタッフによるガイドブックが貰える ・現地に日本語対応してもらえるサポートデスクがある |
AMEX | 観光客の多い店なら使える | ・国内空港ラウンジ無料利用可能 ・自宅~空港間の手荷物無料宅配 |
国内で有名な国際ブランド4つの支払いでの使いやすさと特典の内容をザっとまとめると上記のような感じになります。
VISAとMasterCardは「世界中で支払える仕組みを作ろう!」ということで始まった国際ブランドであるため、世界中どこでも使えます。韓国でもホテルやレストランはもちろん、ショッピングやスパ、露店までクレジットカードに対応しているお店なら使うことができます。
もし「クレジットカードは1枚しか持っていかない」というのであれば、VISAかMasterCardのクレジットカードを持っていくようにしましょう。
クレジットカードの国際ブランドは上画像の部分に書いてあります。一目で分かるので、今すぐ確認してみましょう。
もしアメックス(青色のマーク)だった場合は韓国で使いづらいので、必ずVISAかMasterCardのクレジットカードを新しく発行してくださいね。
おすすめのVISA・MasterCardは韓国旅行におすすめのクレジットカードと選び方を参考に。
海外では、JCBとAMEXはVISAやMasterCardに比べると少しだけ対応しているお店が少なくなります。
しかし、その分特典が多く、割引優待や現地での日本語サポートなどを受けることができます。単純にお得な旅行ができますし、サポートデスクではおすすめスポットや飲食店の紹介、カードやパスポート紛失時の対応などを日本語でサポートしてもらえるますので、快適で安心な旅行を楽しめます。
特にJCBは韓国での使いやすさに力を入れているため、普通に支払いとしても使えるので1枚持っておいて損はありません。「海外ではVISAかMasterCardが必須」と言われていますが、韓国なメジャーなスポットしか行かないのであればJCB1枚でも十分対応することができます。
詳しくは韓国でJCBのクレジットカードが使えるお店や特典について解説を参考に。
韓国でクレジットカードが使える場所、使えない場所
もう少し詳しくクレジットカード使える場所、使えない場所についてみていきましょう。
ホテルやデパート、免税店、飲食店、マッサージ店、電車、バス、タクシーなど基本的にはどこでも使える
韓国は日本よりもクレジットカードが普及しているため、ホテルやデパート、免税店、飲食店、マッサージ店、電車、バス、タクシーなど基本的にはどこでも使うことができます。韓国の法律で1,000ウォン(100円)以下でもカード払いができるようになっているんですよね。
実は小さなお店や露店でもカード払いが可能であり、「現金しかダメです」と断られた場合は通報することもできます(笑)。せっかくの旅行でわざわざ騒ぎを大きくするのも面倒ですので、黙って現金で支払う観光客がほとんどですが、それぐらい韓国はクレジットカードが普及していますので、持っておいたほうがいいでしょう。
私は屋台用にウォンを別に用意しておくことが多いです。
後ほど紹介しますが、手数料はクレジットカードの方がお得なので、免税店で大量に何かを買う時なんかはカード払いの方がお得ですよ。
電車やバスの交通系はT-moneyカードが便利
韓国には日本のSuicaやPASMO、Icocaのような交通系ICカード「T-moneyカード」があります。電車やバス、タクシーなどの交通機関は全てT-moneyカードで支払うことができます。改札もピッとかざすだけでOKですので、韓国旅行でいろいろな地域に行く場合は1枚持っておくと便利です。
正直クレジットカード2枚(VISAとMasterCard)とT-moneyカード1枚があれば財布も必要ありませんので、キャッシュレスな文化を体験してみるのも韓国旅行の一つの楽しみ方とも言えますよ(笑)
韓国でのクレジットカード払いにかかる手数料やレートについて
韓国をはじめ海外でクレジットカードで支払うと手数料がかかります。主にかかる手数料は「為替手数料」と「為替レート」の2種類。あまり聞きなれない言葉ですし、調べると結構難しいです。
ただ、各手数料は毎日のように変動しており、細かく見れば「今はVISAがお得」「今はMasterCardがお得」などあるものの、その誤差は0.5%ほどと非常に小さいため、海外旅行初心者が気にする必要は全くありません。
1万円使っても50円程度の違いですからね。何十万円、何百万円という買い物をするレベルになってから学びましょう。
韓国でのクレジットカード払い時に発生する手数料を国際ブランドごとに分けると以下の通り。
国際ブランド | 手数料 |
---|---|
VISA | 1.63% |
MasterCard | 1.63% |
JCB | 1.60% |
Amex | 2.00% |
例えば、VISAのクレカで100円分の買い物をしたら「100円 × 1.63% = 1.63円」が手数料として追加されます。1万円使えば約163円の手数料ですね。
どの国際ブランドでも手数料1.60%~2.00%で使えるのは実は非常にお得なことです。日本円を現金でウォンに両替すると両替手数料が3%~8%ほどかかりますから、「海外ではクレカで決済したほうがお得」と言われているわけです。
1万円の支払いのとき「カードなら163円」「現金からの両替なら300円~800円」が手数料となるので、クレジットカードがいかにお得かが分かりますね。
もっと詳しく「カード払い」と「日本円からの両替」のどちらがお得かを知りたい方は、韓国旅行の支払いはクレジットカードと現金の両替どちらがお得?もあわせて参考にしてみてください。
韓国でクレジットカードのキャッシングで現金を用意する場合
クレジットカードを持っていればキャッシングによってウォンを手に入れることができます。
キャッシングで発生する各手数料は以下の通り。
韓国ATMのキャッシングで発生する手数料 | |
---|---|
ATM手数料 | ・1万円以下の引き出し:100円/1回 ・1万円越えの引き出し:200円/1回 ※:セディナカードとJCBプロパーカードは無料 |
現地のATM手数料 | ATMによる |
利息 | 借りる金額と返済までの期間による |
ATM手数料は国内外関係なくクレジットカードでキャッシングしたときに発生する手数料です。カードによりますが、1回ごとに100円~200円(税抜)の手数料が発生します。
現地のATM手数料はATMごとに設定されている手数料であり、明確には決まっていません。0.5%(1,000円なら5円)ほどしか上乗せされない良心的なATMもあれば、7%(1,000円なら70円)近く上乗せしてくるATMもあります。
ただ、よっぽどテキトーにキャッシングをしなければ、1万円分のウォンを手に入れる場合の手数料は合計で100円~300円ちょっとであり、カード払いよりもお得になります*1ので、日本円をウォンに両替するよりかはキャッシングで引き出した方がお得にウォンを手に入れることができます。
国際キャッシュカードを韓国で使う場合
学生であれば国際キャッシュカードとクレジットカードで迷う方もいるかと思います。国際キャッシュカードであれば口座に入金しておいた金額分だけ現地のATMからウォンを引き出すことができるメリットがあります。使いすぎる心配もありません。
しかも、国際キャッシュカードの発行は日本国内でできるため、誰でも簡単に準備できます。
しかし、一方で手数料はクレジットカードよりも高く、1回引き出すごとにATM手数料が100円~200円かかったり、カード払いとして使うとカード会社ごとの独自手数料が3%~4%の大幅上乗せされてしまうデメリットがあります。
手数料 | |
---|---|
日本円からの両替 | 3.00%~8.00% |
クレジットカード | 1.60%~2.00% 一番お得! |
国際キャッシュカード | 3.00%~4.00% |
18歳未満で国際キャッシュカードしか使えないのであれば仕方ないですが、もし18歳以上であればクレジットカードをメインに使うことをおすすめします。
韓国でのクレジットカードの使い方、サインの方法
先ほどの「韓国でクレジットカードが使える場所、使えない場所」の動画でも出てきましたが、あらためていくつかご紹介しておきたいと思います。
韓国では暗証番号の入力が一般的。ICチップのないクレジットカードはサインだけで決済
韓国に限らずですが、世界中で発行されているクレジットカードのほとんどがICチップ付きですので、お店では暗証番号を入力して決済するのが一般的です。
ただ、ICチップが付いていないクレジットカードでも決済できないことはありませんので、安心して持っていってください。
サインは日本語でもOK
お店でサインを書く場合は日本語でも大丈夫です。大切なのはカード裏面に記載したサインと同じものを書くこと。
クレジットカードの裏面には、自分のサインを書く欄(下画像の赤枠)があります。
ここに書いてあるサインと同じであるかを確認されるため、例えば「山田太郎」と書いていれば店頭でのサインも「山田太郎」になりますし、「Yamada Tarou」であれば店頭サインも「Yamada Tarou」となります。
また、クレジットカード裏面のサインに決まりはないため、ひらがなやカタカナ、ローマ字、韓国語、中国語、ヒンドゥー語、何でもOKです。
防犯面を考慮すると、外国人がマネしづらい『漢字』のサインが推奨されます。
クレジットカード裏面のサインが無ければ「使えません」と断られるケースもありますので、旅行前にしっかりと記入しておきましょう。
記入はペンまたはボールペンでOKです。鉛筆やシャープペンシルなど、簡単に消えてしまう筆記具での記入はできません。
お土産屋さんや免税店、コンビニでの支払い方
基本的にはクレジットカードを店員さんに渡せばクレジットカード払いにしてもらえます。店員さんがカードをスキャンしてくれる場合もあれば、端末を渡されて自分でスキャンする場合もあります。
スキャンが終わるとレシートを渡されますので、利用金額に間違いがなければ「暗証番号の入力」か「サイン」をして終わりです。
カードを手に持っていれば「渡して」というのはジェスチャーで分かりますし、暗証番号を入力する機会も「入力して!」という感じで指差しで教えてもらえるので、韓国語があまり分からなくても支払いで困ることはありませんよ。
暗証番号はクレジットカードを発行するときに設定した4桁の番号です。ATMでのキャッシングのときにも必要になるので、忘れた場合は旅行前に確認しておきましょう。
カフェやレストランでの支払い方
カフェやレストランで支払う場合は、まずウェイターに会計したい旨を伝えます。
「ケーサネジュセヨ(ケサンヘジュセヨと言った方が通じることも)」
と言えば「お勘定お願いします」という意味になります。
テーブルまでレシートを持ってきてくれますので、金額に間違いがなければレジまで行ってカードを出したり、ちょっと高級なお店だと席に着いたままレシートとカードをウェイターに渡します。このあたりは周りのお客さんの行動をよく観察して臨機応変に合わせましょう。
支払いは「日本円建て決済」と「現地通貨決済」どっちを選ぶべき?
カード払いをすると、自国通貨で決済できる『日本円建て決済』とウォンで決済できる『現地通貨決済』の2種類から選ぶことができます。
基本的には『現地通貨決済』を選ぶのが鉄則(手数料が圧倒的にお得なため)。
『日本円建て決済』はDDC(ダイナミック・カレンシー・コンバージョン)と呼ばれる決済サービスを利用したものです。
決済したタイミングでですぐに日本円換算の決済をしてくれるため、レートが急激に変動する為替リスクを回避できるメリットがあります。
しかし、店舗側が自由に独自の手数料(一般的には3%~5%)を上乗せできるため、通常よりも高い手数料が発生するデメリットがあります。
一方、『現地通貨決済』は日本国内でカード払いするときと同じように、余計な手数料の上乗せなしで決済ができます。
急にレートが変動する可能性もなくはないですが、滅多に起こることではありませんので、ほとんどの場合はお得に支払いが完了します。
まとめ
韓国ではクレジットカードが使いやすいですし、お得になることが多いので、なるべく利用しておいた方がいいです。「カードを渡して、専用の機械にサインする」という使い方で支払いも楽ですし、大金を持ち歩く精神的な負担もないので旅行を快適に楽しむこともできますしね。
ちなみに、管理人は韓国へ行くときはクレジットカード(VISA2枚とJCB1枚)をメインで利用し、1万円分のウォンを現金支払い用に用意しています。今のところ、この組み合わせで困ったことはありません。
ほぼ100%の海外旅行好きが「クレジットカードを持たずに海外はありえない」と言っているのは、手数料のお得さや防犯面でのメリットがあるからです。
韓国は他の国に比べれば治安がいいですが、スリや置き引きがいまだにありますし、単純に自分のミスでお財布を落としてしまうこともありますからね。カードなら「仮カード」を翌日にはホテルに持ってきてもらえますが、現金なら返ってきませんので、何もできずに帰国することなります。
安心安全で楽しい韓国旅行を送るために、クレジットカードは必ず1枚は発行しておくように!
*1:1 | 具体的なキャッシング手数料はクレジットカードの手数料を一通り把握しておく必要があります。詳しく知りたい方はクレジットカードの為替レート(換算レート)とは?:海外利用で発生する手数料を解説をご覧ください。 |
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